ホセ-マリア・ロペス緊急参戦の週末はクプラとホンダが勝利。ブラジル国内王者も確定/TCR南米第8戦

 アルゼンチン最高峰のFFツーリングカー選手権『TC2000』との併催にて、首都ブエノスアイレスが誇る国際トラック、アウトドローモ・オスカー・ファン・ガルベスで10月4~6日に開催されたTCRサウスアメリカ・シリーズ第8戦は、レースウイーク直前に“緊急参戦”がアナウンスされた元ツーリングカー世界王者ホセ-マリア・ロペスが話題を振り撒くことに。  そんな週末のレース1はガリッド・オスマン(W2プロGP/クプラ・レオン・VZ TCR)が、続くレース2はファン-マヌエル・カゼッラ(スクアドラ・マルティーノ/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が勝利を収め、同シリーズで選手権首位に君臨するペドロ・カルドソ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)が、まずは初年度のTCRブラジル王者を獲得している。

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アルゼンチンの王者ペーニャが貫禄のTCR初優勝。プジョー308が完全制覇/TCR南米第6戦

 最高峰『FIA TCRワールドツアー』との併催2連戦を終え、引き続きウルグアイのメルセデス・オートドロームで8月23~25日に開催されたTCRサウスアメリカ・シリーズ第6戦は、レースウイークを通じて激しい暴風雨にさらされるなか、次期型の登場も噂されるプジョー308 TCR陣営が躍進。  世界戦でクラス連勝を飾って選手権首位を行くペドロ・カルドソ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)がレース1を制してそのリードを拡大すると、続くレース2ではシーズン途中から僚友を務めるTC2000“3冠“王者リオネル・ペーニャが、抜群のスタートを決めてTCR初優勝を飾っている。

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南米対決を制したホンダのグエリエリが今季初優勝。ミケリスも選手権リードを拡大/TCRワールドツアー第4戦

 南北アメリカ大陸を南下してブラジルへと入り、7月20~21日にインテルラゴスのホセ-カルロス・パーチェで争われた2024年『FIA TCRワールドツアー』の第4戦は、予選ポールポジション獲得のウルグアイ出身サンティアゴ・ウルティア(リンク&コー・シアン・レーシング/リンク&コー03 TCR)を撃破し、アルゼンチンが誇る名手エステバン・グエリエリ(ゴート・レーシング/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が今季初優勝を達成。続くレース2ではノルベルト・ミケリス(BRCヒョンデN スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)が開幕戦以来の2勝目を飾り、選手権リードを拡大している。

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世界戦併催TCR南米ラウンドにて、ネルソン・ピケJr.が先代シビックRで初参戦「前輪駆動は新たな課題」

 創設2年目となる『FIA TCRワールドツアー』と合流し、7月19~21日にインテルラゴスのホセ-カルロス・パーチェで開催されるTCRサウスアメリカ・シリーズ第4戦に向け、元F1ドライバーのネルソン・ピケJr.がTCR初参戦を表明。これまでスクアドラ・マルティーノ所属のロドリゴ・バプティスタがドライブしていた先代FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRのステアリングを握る。

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スター選手の饗宴。TC2000王者とSCBタイトル候補が快勝。バリチェロもテスト参加/TCR南米第3戦

 引き続きTCRブラジルとの併催にて、6月14~16日にサンパウロの内陸部に位置するヴェロチッタで争われた2024年TCRサウスアメリカ・シリーズ第3戦は、南米大陸が誇るスター選手を擁するPMOレーシングのプジョー308 TCRが躍進。アルゼンチンより“南米最高峰のテクニカルシリーズ”と称するFFツーリングカー選手権、TC2000で3冠を誇る王者リオネル・ペーニャと、地元の最高峰SCBストックカー・ブラジル“プロ・シリーズ”で今季タイトル候補にも挙げられるラファエル鈴木が、それぞれ今季初勝利を飾る結果に。  また、レースウイーク後に実施されたテストセッションでは、SCB参戦中のルーベンスとエドゥアルドのバリチェロ親子がPMOモータースポーツのリンク&コー03 TCRのステアリングを握り、ともに初のTCRマシンを試乗した。

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旧型FK8シビックRが完勝。パルディーニ・レーシングのカローラGRS艦隊も1-2達成/TCR南米第2戦

 開幕戦の“変則耐久フォーマット”から、通常の2ヒート制スプリントに回帰した2024年TCRサウスアメリカ・シリーズ第2戦は、すでに旧モデルとなったFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRに乗るロドリゴ・バプティスタ(スクアドラ・マルティーノ)が、予選ポールポジションからの“ライト・トゥ・フラッグ”でオープニングヒートを制覇。続くレース2では、ファビアン・シャナントゥオーニとファン-アンヘル・ロッソ(パルディーニ・レーシング)のトヨタ・カローラGRS TCR艦隊が、リバースグリッドの好機も活かしてワン・ツー・フィニッシュを飾っている。  開幕戦インテルラゴス同様に今回もTCRブラジル併催となったアウトドローモ・カスカバルには、この第2戦に向け隣国アルゼンチンから大物ゲストが参戦。南米大陸で“最高峰のテクニカルシリーズ”と称するFFツーリングカー選手権、TC2000で3冠を誇る王者リオネル・ペーニャが、ルノー・フルーエンスGTからプジョー308にスイッチしてTCR初挑戦を果たす。

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元F1ドライバーの49歳、ノルベルト・フォンタナが『トヨタ・カローラGRS TCR』で参戦へ/TCR南米

 元F1ドライバーであり、日本ではフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)や全日本GT選手権(現スーパーGT)でも活躍を演じたノルベルト・フォンタナが、今週末に開催されるTCRサウスアメリカ・シリーズ開幕戦への出場を表明。自身初のTCR規定ツーリングカーとしてTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)製の『トヨタ・カローラGRS TCR』のステアリングを握ることとなった。 「私のレースキャリアに新たなカテゴリーが加わることをとてもうれしく思っている」と、ブラジル・インテルラゴスでの開幕戦を前にコブラ・レーシング・チームとの契約を結んだアルゼンチン出身のフォンタナ。

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TCR豪州新王者ジョシュ・バカンはヒョンデ陣営HMOと2年契約延長。プジョーやアウディ陣営も体制確定

 南半球を代表するTCR国内選手権、TCRオーストラリア・シリーズで新たなシリーズチャンピオンに輝いたジョシュ・バカンが、所属先であるHMOカスタマー・レーシングとの2年契約延長をアナウンス。引き続きヒョンデ・エラントラN TCRで「タイトル防衛を目指す」ことを表明した。  また古豪ギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)や、昨季『TCRワールドツアー』にもチャレンジしたベン・バルグワナ擁するプジョー陣営は、年度後半にも新型モデルの投入を予告。さらに2022年王者としてFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRの投入を決めているトニー・ダルベルトのウォール・レーシングを始め、複数チームのジョイント体制を採るアウディ陣営など、シリーズに参戦するチームが続々とラインアップを固めている。

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