4月21日、 22歳から米ウェストバージニア州にある炭鉱の地下深くで働き続けたジョシュ・コクランさん(写真)は、10万ドル台の年収を得て妻と2人で休日には狩りや釣りをする暮らしを送っていた。ウエストバージニア州オークヒルで10日撮影(2025年 ロイター/Adrees Latif)[オークヒル(米ウェストバージニア州) 21日 ロイター] - 22歳から米ウェストバージニア州にある炭鉱の地下深くで働き続けたジョシュ・コクランさんは、10万ドル台の年収を得て妻と2人で休日には狩りや釣りをする暮らしを送っていた。ところがそうした楽しい生活に終止符が打たれたのは2年前、コクランさんが43歳でじん肺(黒肺病)が進行していると診断された時だ。彼は肺の移植手術を待っているところで、酸素ボンベがないと呼吸ができず、妻の手を借りなければ身の回りの行動も不自由になっている。もっとも、コクランさんにとっての救いは、今なお生活費を稼げていることだ。鉱山安全衛生局(MSHA)と国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が運営する連邦政府のプログラム「パート90」のおかげで、じん肺と診断された時点で炭鉱内から同じ勤務先のトラック配車係に配置換えしてもらい、給与水準は維持された。パート90は、じん肺の診断を下された炭鉱労働者を即日、より安全な仕事に異動させることを義務化したものだ。コクランさんはロイターに「パート90の適用を受けられただけで、地下から脱出し、同じ賃金を支給され、解雇されずに済む」と語った。ただ、パート90やその他の炭鉱労働者をじん肺から守るための措置は、トランプ大統領と「政府効率化省」を率いる実業家イーロン・マスク氏が進める大規模な政府職員解雇と政府機関閉鎖のあおりを受け、機能しなくなりつつある。ロイターがこれらのプログラム関係者に取材したり、NIOSHの内部文書を確認したりした結果、少なくともここ数週間で3種類の連邦プログラムが停止したことが分かった。例えば数十年にわたってNIOSHが運営してきた炭鉱労働者に対する肺の健康診断制度は停止され、これに関連する鉱山でのレントゲン検査プログラムも打ち切られた。またMSHAの施設の半数近くがリースを解約する状況で、新たに導入される炭鉱労働者の粉じん許容限度といった安全基準の監督主体も不明確になっている。NIOSHで40年勤務してきたアニタ・ウォルフ氏は「炭鉱労働者にとって壊滅的な状況だろう。誰も炭鉱の監視をしなくなる」と警告した。トランプ氏自身は、かねてから同氏を政治的に支持してきた国内の石炭産業振興を声高に唱えている。今月ホワイトハウスで開催した石炭生産拡大を目指す大統領令署名式には炭鉱労働者を招き「われわれは炭鉱を稼働状態に戻す。彼らは偉大な人々で、偉大な家族を持ち、われわれが愛し、尊敬する地域からやってきた」と強調した。NIOSHを傘下に置く厚生省の報道官は、政府組織の簡素化により、同省は議会が付託した国民を守る取り組みを実行する上でより適切な態勢になるとコメントした。NIOSHの推計に基づくと、米国のアパラチア山脈中央部にある炭鉱地帯で現在働く労働者のうち、じん肺に苦しむ割合は20%と、過去25年で最も高い。長年にわたって採掘されてきた炭鉱で乏しくなった鉱脈に到達するため、岩盤を爆破しているためだ。労働省のデータによると、国内の石炭産業の雇用は約4万3000人に上る。<配置転換手続きも停滞>NIOSHの関係者3人によると、全米でおよそ1000人いるNIOSH職員のうち875人前後が契約を切られた。今月4日付のNIOSHの内部メールには、このため炭鉱労働者のじん肺対策の柱となってきた「健康監視プログラム(CWHSP)」が停止されたと記されている。複数の関係者は、CWHSPの下で炭鉱まで移動トレーラーを派遣し、労働者に対して行っていた検診も中止になったと明かした。車の燃料代がねん出できないことや、レントゲン写真を分析できる専門の疫学者がいなくなったのが原因だ。NIOSHのウォルフ氏は、多くの炭鉱労働者にとってはこの制度が唯一利用できる健康診断だと話す。さらに多くのNIOSH職員が解雇された影響で、じん肺を診断された労働者がパート90の適用を受けて配置換えの権利を得る手続きが滞っている。 炭鉱労働者はレントゲン写真をNIOSHに提出し、じん肺と認定されなければパート90の要件を満たすことができない。だが、ウェストバージニアでは、レントゲン写真を分析するNIOSHの疫学者全てが解雇されたという。そのような疫学者の1人であるスコット・ラニー氏が説明した。ラニー氏はロイターに対して「大統領令が出された結果、より多くの男性が炭鉱で働くようになるとすれば、どのような仕組みであってもそれに応じて彼らは保護されるべきだ」と語った。じん肺患者の代理人をしているウェストバージニアの弁護士は、じん肺のままで粉じんがひどい職場にとどまるリスクは極めて深刻な以上、配置転換は重大な意味を持つと訴えた。<安全犠牲に不満の声>MSHAは昨年、炭鉱労働者の結晶シリカ許容限度を半分に引き下げる新たな規則案をまとめたが、職員削減や施設閉鎖計画を受けて8月からの実施が危ぶまれている。バイデン前政権でMSHAを担当する労働次官補を務めたクリス・ウィリアムソン氏はロイターに対し、同氏が辞任する前の1月時点で、MSHAの鉱山検査官には20人の欠員があっって、既に90人の補充人員を内定していたが、トランプ氏が大統領に就任すると内定が全て取り消されたほか、120人前後が早期退職を勧告されたと述べた。じん肺の専門家は、こうした適切な人員や資源の欠如は、特に石炭採掘活動が拡大するようなら、じん肺がアパラチア山脈の炭鉱で一段とまん延しかねないと懸念している。23年の検査でじん肺と診断された35歳の炭鉱労働者ケビン・ウィークルさんは、石炭増産を望みながら労働者の安全基準を後退させるトランプ政権の姿勢は合理性を欠いていると批判した。「私は共和党員だが、石炭生産を増やし、安全を損なわないようなもっと賢い方法があると思う」と話した。私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tabValerie Volcovici covers U.S. climate and energy policy from Washington, DC. She is focused on climate and environmental regulations at federal agencies and in Congress and how the energy transition is transforming the United States. Other areas of coverage include her award-winning reporting plastic pollution and the ins and outs of global climate diplomacy and United Nations climate negotiations.
4月8日、 トランプ米大統領は国内の石炭増産を促す大統領令に署名した。写真は署名を前にホワイトハウスでスピーチするトランプ氏(2025年 ロイター/Nathan Howard) - トランプ米大統領は8日、国内の石炭増産を促す大統領令に署名した。大統領復帰以来、米国の化石燃料生産拡大やエネルギー・環境関連規制の緩和ないし撤廃を推進する取り組みの一環だ。米国の電源構成で石炭火力発電が占める比率は2000年の50%から20%弱に低下している。掘削技術の発達でよりクリーンな天然ガスの生産が増加したほか、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及が理由だ。一方米国内では、人工知能(AI)向けデータセンターの建設ラッシュなどで電力需要も急拡大している。こうした中でトランプ氏はホワイトハウスに招いた炭鉱労働者を前に「われわれは見捨てられた産業を再生させる」と語り、10年前に7万人だった炭鉱労働者が約4万人まで落ち込んだことに触れて「これらの労働者を仕事に復帰させる」と強調した。大統領令には、閉鎖される公算が大きい石炭火力発電を維持する措置が盛り込まれた。またライト・エネルギー長官に対して鉄鋼生産用の石炭を「重要鉱物」に指定するかどうか判断するよう指示。指定されれば、大統領の緊急権限で石炭を増産できる条件が整う。バーガム内務長官には、現在凍結している連邦所有地での新たな炭鉱開発向けリースを解禁するよう指示している。ただ環境保護団体からは、空気を汚して競争力もない石炭火力発電を守るトランプ政権の計画は、過去のエネルギーにこだわり、消費者に余計な電力料金を負担させようとしているなどと強い批判の声が出ている。私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tabTimothy reports on energy and environment policy and is based in Washington, D.C. His coverage ranges from the latest in nuclear power, to environment regulations, to U.S. sanctions and geopolitics. He has been a member of three teams in the past two years that have won Reuters best journalism of the year awards. As a cyclist he is happiest outside.
Denuncian que el COAM dé la espalda a la ciudadanía y no responda a sus cartas.Piden al COAM no ser cómplice del Ayuntamiento en el cambio de uso de la parcela dotacional prevista.Proponen parcelas alternativas para el Museo de la EMT y piden respeta