ロシアのドミトリエフ特使(国際経済・投資協力担当)は27日、米実業家イーロン・マスク氏の火星探査計画向けに、ロシアが「小型の電子力発電所や他の先進的な技術力を提供できる」と述べた。写真はスペースXの宇宙船「スターシップ」。2019年9月、テキサス州ボカチカで撮影(2025年 ロイター/Callaghan O'Hare)[27日 ロイター] - ロシアのドミトリエフ特使(国際経済・投資協力担当)は27日、米実業家イーロン・マスク氏の火星探査計画向けに、ロシアが「小型の電子力発電所や他の先進的な技術力を提供できる」と述べた。ロシア通信(RIA)が報じた。ドミトリエフ氏は「ロシアは応用可能と考えられる原子力技術を有しており、火星ミッションに多くの貢献ができると確信している」と述べた。さらに、ロシアは「偉大な先見の明がある」マスク氏との協力を重要と位置付けているとし、マスク氏とこの提案についてビデオ会議で協議する可能性があるとした。私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
3月26日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、ロシアが占領するウクライナ南部のザポロジエ原発(写真)について、ウクライナ戦争の停戦が実現すれば数カ月以内に再稼働できる可能性があるが、6基の原子炉全ての再稼働には1年以上かかるのではないかとの見通しを示した。2023年6月、ウクライナ南部のエネルホダル郊外で撮影(2025年 ロイター/Alexander Ermochenko) - 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は26日、ロシアが占領するウクライナ南部のザポロジエ原発について、ウクライナ戦争の停戦が実現すれば数カ月以内に再稼働できる可能性があるが、6基の原子炉全ての再稼働には1年以上かかるのではないかとの見通しを示した。ザポロジエ原発は戦争前にウクライナの電力の20%を担っていたが、戦線に近いことから全原子炉が停止し、壊滅的な事故が発生する危険にさらされている。グロッシ氏は「われわれが望んでいるのは、この地域で戦闘がもはや行われていないことを確認できる瞬間が来ることだ」と述べ、終戦に期待を示した。トランプ米大統領はウクライナ戦終結とロシアとの関係改善に取り組んでいるが、IAEAはこうした協議に参加していない。ザポロジエ原発は国際法上ではウクライナに属するが、IAEAは実際にはロシアと協力せざるを得ない立場に置かれている。グロッシ氏は停戦の枠組みについて意見を述べる立場にはないと自身の立ち位置を説明した。ザポロジエ原発には少数のIAEAスタッフが常駐している。IAEAの直近の四半期報告によると、同原発の安全およびセキュリティー状況はなお危機的で、武装したロシア軍が原発の一部へのアクセスを阻止している。グロッシ氏は「原発の安全性や全体的な状況に関して言えば、ロシアによって専門的に管理されていると言える。保守作業の一部は、本来あるべきほど万全でなかったかもしれないが、それは戦争の影響だ」とした上で、停戦が行われれば冷却能力を強化するための大規模な作業か可能になるため、原子炉の再稼働は可能との見方を示した。私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
ロシア外務省は25日、ロシアが占領するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所について、同原発はロシアの施設であり、管理をウクライナや他のいかなる国にも移転することは不可能との見解を示した。写真は2023年6月撮影のザポロジエ原子力発電所。(2025年 ロイター/Alina Smutko) - ロシア外務省は25日、ロシアが占領するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所について、ロシアの施設であり、管理をウクライナや他のいかなる国にも移転することは不可能との見解を示した。また、核の安全性を適切に確保できなくなるとして、共同運営も認められないとの立場を示した。米ホワイトハウスによると、トランプ大統領は19日にウクライナのゼレンスキー大統領と行った電話会談で、ウクライナの原子力発電所の運営を支援し、場合によっては米国が所有する可能性を示唆。ただ、ゼレンスキー氏は20日、トランプ氏との電話会談でザポロジエ原発はウクライナの管理下になければ稼働しないと伝え、米国が所有する可能性について協議しなかったと明らかにしている。 もっと見る ロシア外務省は、同国軍が一部支配するザポロジエ州が住民投票でロシアに併合された4州に含まれるとし、大統領令によりザポロジエ原発は正式にロシアの所有物となったと述べた。西側諸国はこの住民投票を偽りだと断じている。同省は声明で、「ザポロジエ原発がロシアの原子力部門に返還されることは、かなり以前から既成事実となっている。原発をウクライナや他の国の支配下に移すことは不可能だ」と述べた。ロシア軍は侵攻初期にザポロジエ原発を占拠。同国とウクライナはそれ以降、原発の安全を脅かす攻撃を仕掛けていると互いに非難している。同原発は現在、電力を生産していないが、国連の原子力監視機関がウクライナの全ての原発と同様に、監視員を常駐させている。私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab