僚友ブレイニーの連覇を打ち砕く。ロガーノが自身3度目のカップシリーズ王者を獲得/NASCAR最終戦

 フェニックス・レースウェイにて最終“Championship 4”の週末を迎えたNASCARカップシリーズ第36戦『NASCAR Cup Series Championship』は、残り54周のリスタートで5番手から一躍首位に躍り出たジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が、僚友の王者ライアン・ブレイニーを抑え切って自身3度目のカップシリーズ制覇を達成。これでチーム・ペンスキーに3年連続のシリーズタイトルをもたらしている。

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王者ブレイニー勝利で最終決戦へ。ベルvsバイロンはまさかの“壁走り”で懲罰決着に/NASCAR第35戦

 ポストシーズンも終盤戦、最終『Championship 4』への進出を賭けマーティンスビル・スピードウェイで争われたNASCARカップシリーズ第35戦『エクスフィニティ500』は、ディフェンディングチャンピオンのライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が晴れて『Round of 8』最後のウイナーに。  一方、残る1枠を争ったクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)とウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)のふたりは、誰も“追い抜こうとしない”シボレー艦隊を引き連れたHMS陣営の戦いぶりに対し、タイブレークからの必要な1ポイントを奪うべく、僚友ダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)に“道を譲られた”ベルが、直後のターン3でまさかの動きを見せる。

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完璧な燃費戦略を遂行したジョーイ・ロガーノが“滑り込み”から次ステージ1番乗りへ/NASCAR第33戦

 いよいよポストシーズンも後半戦“Round of 8”に突入したNASCARカップシリーズ第33戦『サウス・ポイント400』が、10月18~20日にラスベガス・モータースピードウェイで開催され、燃費戦略を完璧に遂行したカップ2冠のジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が、早くも最終ステージ“Championship 4”への最初の出場権を獲得。  前戦シャーロット“ローバル”で発生したアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)の再車検失格により“滑り込み”の進出権を獲得していた男が「信じられない状況だ。本当に恵まれている!」と自ら語るとおり、逆転タイトルに向けプレーオフでの“流れ”を手にしている。

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まさに急転直下の決着。圧勝ラーソンの背後でボウマン失格、ロガーノが滑り込み進出へ/NASCAR第32戦

 ステージにつき3戦で構成されるポストシーズン“Round of 12”最後の1戦、シャーロット“ROVAL(ローヴァル)”で開催されたNASCARカップシリーズ第32戦『Bank of America Roval 400』は、最終リスタート時の26番手から11番手まで突進したタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)と、レースの109周中62周でリードを維持したカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)の圧勝劇が注目を集めるなか、次ステージ出場権を巡る8名のカットオフラインでは、まさに急転直下の“場外決着”を見ることに。  レギュラーシーズン王者レディックの猛追により、カップ2冠のジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が8ポイント差でプレーオフから追い出されるに充分な成績となっていたが、その敗退は一時的なものに。レース後の検査でアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)のカマロZL1はNASCARの最低重量要件を満たさず失格処分となり、48号車が敗退ラインを下回ったことで、ロガーノが“Round of 8”に復帰している。

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カップ史上「最大のクラッシュ」発生で27台が脱落、ステンハウスJr.が復活の3ワイド勝利/NASCAR第31戦

 まさに劇的。NASCARカップシリーズ史上最大のクラッシュが発生した2024年第31戦『イェラウッド500』は、今季最後のスーパースピードウェイ(SSW)決戦となる2.66マイル、傾斜角33度のタラデガで27台を飲み込む“ビッグワン”が勃発。その過程で7名のチャンピオンシップ候補者が巻き込まれ、ポストシーズン“Round of 12”も残り1戦で、次のチャンピオンシップに進む8名の枠に大きな影響を及ぼすことに。  そんな残り5周での悲劇を経て、乱戦の締め括りもわずか0.006秒差のオーバータイム決着となり、ブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)、ウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)と横並びのスリリングな“3ワイド”フィニッシュを制したリッキー・ステンハウスJr.(JTGドアティ・レーシング/シボレー・カマロ)が、まさに劇的な復活勝利を飾っている。

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団結が試されるプレーオフ開幕SSW決戦は、ロガーノ&ブレイニーの王者ペアに軍配/NASCAR第27戦

 いよいよ2024年のタイトル天王山に突入したNASCARカップシリーズのプレーオフ初戦、シーズン第27戦となるアトランタ・モータースピードウェイでの『Quaker State 400(クエーカーステート400)』は、ダニエル・スアレス&ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)のシボレー艦隊を退けた、ジョーイ・ロガーノ&ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)の”チャンピオンコンビ”がオーバータイムスプリントを制覇。ロガーノはプレーオフ開幕の勝利で次なるステージ”Round of 12”へのアドバンテージを手にすると同時に、今季2勝目、キャリア通算34勝目を飾っている。

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最終周の劇的決着! カイル・ブッシュを仕留めたハリソン・バートンがカップ初優勝/NASCAR第25戦

 レギュラーシーズンも残り2戦にして、2024年NASCARカップシリーズ第25戦『Coke Zero Sugar 400(コークゼロ・シュガー400)』は、今季もっとも劇的かつドラマチックな幕切れで記憶されることに。  都合3度の“ビッグワン”により、チャンピオン争いとポストシーズン進出権確保に向けた候補者が次々と飲み込まれていくデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで、23歳のハリソン・バートン(ウッド・ブラザーズ・レーシング(WBR)/フォード・マスタング)が最後の最後に主役に躍り出ることに。  オーバータイム決着となったファイナルラップで、カップ“2冠”のカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)を仕留め、自身カップ初制覇を成し遂げるとともに古豪WBRに歴史的な100勝目をもたらした。

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疑惑の勝利から3日。優勝は留保もオースティン・ディロンのプレーオフ出場資格が剥奪へ/NASCAR | 海外レース他 | autosport web

 先週末に開催された2024年NASCARカップシリーズのレギュラーシーズン終盤戦、リッチモンド・レースウェイでの第23戦『クック・アウト400』にて、オースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が、ライバルたちを接触によって撃破した“疑惑の2年ぶり勝利”により、残り3戦で大逆転の滑り込みプレーオフ進出権を獲得した件について。  延長ホワイトフラッグの最終ラップで、先頭ジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)と背後から来たデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)のレースを“破壊した”行為に関し、NASCAR運営団体は徹底的な検証の結果、現地14日(水)にも「プレーオフ出場資格を剥奪する」との判断を下した。

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ロガーノとハムリンを文字どおり“撃破”のディロンが、物議の勝利で逆転プレーオフへ/NASCAR第23戦

「我々が戦っているNASCARはレースシリーズなのか。それともそうではない他の何かなのか。もし後者だとしたら、それをパドックの全員に周知する必要がある」  物議を醸す“破壊と独善”のオーバータイム決着となった2024年NASCARカップシリーズ第23戦『クックアウト400』は、先頭ジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)と追い縋るデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)を文字どおり“撃破”したオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が、約2年ぶりの勝利を飾る結末に。  これでレギュラーシーズン残り3戦で大逆転の滑り込み“プレーオフ進出権”を獲得する一方、最高峰カップシリーズとして「どうあるべきか」を含め、続くレースウイークを前に運営団体による徹底的な検証が続く見込みとなった。

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実に300日ぶり“ブレイク”のNASCARはレギュラー残り4戦。王座争いとカットラインともに最終局面へ

 約4年ぶりに“聖地”の2.5マイルオーバル決戦を終えた2024年NASCARカップシリーズは、実に300日ぶりの“ブレイク”として待ち望まれた約2週間のオリンピック休暇に突入している。  カイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が勝利し、ふたたびリーダーに返り咲いた第22戦『ブリックヤード400・プレゼンテッド・バイ・PPG』の30周年記念大会を経たシリーズは、8月9日にリッチモンド・レースウェイで再開し、11月10日にフェニックス・レースウェイでポストシーズン最終戦を迎えるまで今季唯一(!)の移動のない週末を迎えた。

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