実に462周のリードラップ記録を樹立。ラーソンが「完璧な夜」に次ステージ進出へ/NASCAR第29戦

 変則的に土曜開催のナイトレース決戦となった2024年のNASCARカップシリーズ第29戦『バスプロショップス・ナイトレース』は、次なるステージ“Round of 12”に向けプレーオフ16名のカットライン争いにも注目が集まるなか、レースの500周中で実に462周をリードし、両ステージ制覇も達成したカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、僚友チェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を7.088秒差で退ける「完璧な夜」を過ごすことに。  この圧倒的な支配により、ラーソンがNo.1シードで“Round of 12”に進出する一方、タイ・ギブスとマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)のJGR陣営2台や、ハリソン・バートン(ウッド・ブラザーズ・レーシング/フォード・マスタング)、そしてブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)にとっては厳しい結末となり、ここでシリーズチャンピオンシップを争う資格を失うこととなった。

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最終周の劇的決着! カイル・ブッシュを仕留めたハリソン・バートンがカップ初優勝/NASCAR第25戦

 レギュラーシーズンも残り2戦にして、2024年NASCARカップシリーズ第25戦『Coke Zero Sugar 400(コークゼロ・シュガー400)』は、今季もっとも劇的かつドラマチックな幕切れで記憶されることに。  都合3度の“ビッグワン”により、チャンピオン争いとポストシーズン進出権確保に向けた候補者が次々と飲み込まれていくデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで、23歳のハリソン・バートン(ウッド・ブラザーズ・レーシング(WBR)/フォード・マスタング)が最後の最後に主役に躍り出ることに。  オーバータイム決着となったファイナルラップで、カップ“2冠”のカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)を仕留め、自身カップ初制覇を成し遂げるとともに古豪WBRに歴史的な100勝目をもたらした。

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王者待望の勝利はラスト2周に消ゆ。ペンスキー対決制覇のシンドリックが今季初優勝/NASCAR第15戦

 特徴的なフラットオーバル、ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ(WWTR)で繰り広げられた2024年NASCARカップシリーズ第15戦『エンジョイ・イリノイ300』は、予選からフォード陣営が好調さを披露する展開に。決勝でもチーム・ペンスキーの牙城にクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)が挑んだものの及ばず。ディフェンディングチャンピオンのライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が待望の今季初勝利を飾る……かと思われた。  しかしホワイトフラッグ目前にまさかの“燃料切れ”でチームメイトにリードを譲る残酷な展開となり、オースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)がルーキーイヤーの2022年『デイトナ500』以来となる劇的な優勝を飾っている。

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決着は0.003秒フォトフィニッシュ! ダニエル・スアレスが3ワイドで王者を撃破/NASCAR第2戦

 決勝260周後のワイルドな結末を予感させる前兆か。スタートわずか2周で16台のマシンが絡む波乱の幕開けとなった2024年NASCARカップシリーズ第2戦『アンベター・ヘルス400』は、自身もそのクラッシュでダメージを負いながら、混沌の渦中から抜け出したダニエル・スアレス(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が横ならびの”フォトフィニッシュ”でチェッカー。  ホワイトフラッグ残りふたつのコーナーで、カイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)、そして新王者ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)との“3ワイド”を演じた勝負は、実にバンパーの厚み数センチ分で決着。スアレスがチャンピオンのブレイニーに対し0.003秒、ブッシュには0.007秒とハイラインから超僅差で抜け出し、2022年6月のソノマ以来となるカップ通算2勝目を手にしている。

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