文系WEBマガジン『ひとまとめ』7月号に掲載した小説「こいを失う」です。
失ってから気づくことってありますよね。そういうお話です。
こいを失う|ひとまとめ|水鳥葛 https://tales.note.com/mizudorikuzu/w0wu3oppzj978/episodes/ed2qp4709ls4o #Tales

市中の泡沫 - 市中の泡沫 | TALES 物語・小説
プールの中にいると音の響きが鈍るから光の重要性が増す。しかし泳いでいるから視界は限定されて、コースロープの赤や黄色が透明な青を背景に後ろに進むだけだ。それほど泳ぐのがうまくもないから、そんなことを考えている余裕はないのに、水中に斜めに差し込む光が丸い気泡を黄金色にする様子をじっくり見たいと思う。でも泳ぎ終わって潜って見ると、泳いでいるときのように魅惑的に感じない。ただ水の中に光が差してるな、と感じるだけ。---クタクタになりたいな、と思うようになったのは働き始めて1年ほどたってからだ。仕事が終わると疲れ果てているのに、それは肉体的な疲れではないから頭が不協和音を嫌がっているのだろう。ダ






