絶対王者は予選ヒート時点で“7冠”達成。決勝では両日ともに初優勝者が誕生/WorldRX最終戦

 ほぼ10年ぶりに国際ラリークロスのトップカテゴリーを迎え入れたトルコのイスタンブール・パーク・サーキットにて、11月9~10日にWorldRX世界ラリークロス選手権の最終戦ダブルヘッダーが開催され、初日の予選ヒート2にて“絶対王者”ヨハン・クリストファーソン(KMS・ホース・パワートレイン/フォルクスワーゲン・ポロKMS 601 RX)が、早くも今季のチャンピオンを確定させることに。  これで前人未到のシリーズ7冠に到達したチャンピオンを尻目に、本戦ではふたりの初優勝者が誕生し、土曜は王者の僚友を務めるオーレ・クリスチャン・ベイビー(フォルクスワーゲン・ポロKMS 601 RX)が。続く日曜は出場経験わずか7戦というワイルドカード参戦のユハ・リトコネン(PGRX/ヒョンデi20 RXスーパーカー)が最大のサプライズを成し遂げ、戴冠直後のクリストファーソンや2019年世界王者のティミー・ハンセン(ハンセンWorldRXチーム/プジョー208 RX1e)らを撃破してみせた。

autosport web
EV有利の高地でも“絶対王者”の強さは揺るがず。日曜はケビン・ハンセンが逆襲の初勝利/WorldRX第4戦

 今季より持続可能燃料採用の内燃機関(ICE)搭載モデルと、電動最高峰の“RX1e”が混走する2024年WorldRX世界ラリークロス選手権の第4戦が、9月7~8日にポルトガルのモンタリグレにて開催され、レースウイークを前に標高1000mを超える高地決戦では「BEV優位」の声も囁かれていた。  しかしダブルヘッダー緒戦の土曜は、そんな下馬評をも覆す強さを発揮した“絶対王者”ヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロKMS 601 RX)が、サスペンション損傷のビハインドも跳ね除けての通算45勝目をマーク。続く日曜は、前戦で兄のサポート役に徹していたケビン・ハンセン(ハンセンWorldRXチーム/プジョー208 RX1e)が、宿敵に一矢報いる今季初優勝を飾っている。

autosport web
兄弟タッグで絶対王者を止めた。兄ティミー・ハンセンが待望の今季初勝利/WorldRX第3戦

 今季より導入された“Battle of Technologies(バトル・オブ・テクノロジーズ)”の構想に基づき、新たに持続可能燃料採用の内燃機関(ICE)搭載モデルと、電動最高峰の“RX1e”が混走する2024年WorldRX世界ラリークロス選手権の第3戦が、8月17~18日にベルギーのメテで開催された。  そのダブルヘッダー緒戦となった土曜は、ここまでの開幕2戦4ヒート連続で表彰台を逃す予想外の幕開けとなっていたハンセンWorldRXチームが記録に終止符を打ち、弟ケビンのサポートを受けた2019年王者ティミー・ハンセン(ハンセンWorldRXチーム/プジョー208 RX1e)が約2年ぶりの復活勝利を記録。日曜は勝利を飾った“絶対王者”ヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロKMS 601 RX)に一矢報いる週末としている。

autosport web
TCRデビューイヤーで大躍進のコービー・パウエルが『FIA RX2e』でラリークロス電撃復帰参戦へ

 新たに“バトル・オブ・テクノロジーズ”の時代に突入した2024年WorldRX世界ラリークロス選手権だが、この8月17~18日にベルギーのメテで開催されるシリーズ第3戦を前に、併催イベントの電動ワンメイクシリーズFIA RX2e選手権に向け、元EuroRX3王者コービー・パウエルの復帰参戦が決定。土壇場での参戦確定にもかかわらず、近年はTCR規定ツーリングカーの世界で目覚ましい活躍を演じた19歳は、地元のファンに「素晴らしいショーを披露する」と約束している。  自身の四輪昇格初年度となった2021年に、EuroRX3のルーキーイヤーでフォランド・レーシングの僚友に次ぐランキング2位を記録したパウエルは、翌2022年には5戦4勝と破竹の快進撃を披露し、年間パーフェクトスコアにわずか4ポイント差まで迫るなど圧倒的な強さを見せつけた。

autosport web
クルサードにアブリングも。9万5000人を集めた『ジャックス・レーシング・デイ』にRX1e登場/WorldRX

 今季より“Battle of Technologies”と称してシリーズに新コンセプトを導入し、新たに持続可能燃料採用の内燃機関(ICE)搭載モデルと電動最高峰の“RX1e”が混走バトルを繰り広げるWorldRX世界ラリークロス選手権だが、そこへ今季もオリジナル電動車両で挑むCEディーラーチーム・バイ・ボルボ・コンストラクション・イクイップメントが、新規ファン開拓に向け一役買うことに。

autosport web
絶対王者“遺恨”の接触決着でグロンホルムが今季初勝利。クララも3位表彰台を獲得/WorldRX第2戦

 新たな“バトル・オブ・テクノロジーズ”の時代が幕を開けた2024年WorldRX世界ラリークロス選手権の第2戦が、7月27~28日に“赤い大釜”の異名を持つハンガリーのニーラドで開催され、開幕連勝発進を決めた“絶対王者”ヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロKMS 601 RX)が、ダブルヘッダー初戦で劇的な衝突決着を演じることに。  結果、引き続き電動最高峰のRX1eモデルで出場するニクラス・グロンホルム(CEディーラー・チーム/PWR RX1e)が、新しいデュアルテクノロジー時代初勝利を挙げ、WorldRXキャリア通算8勝目を祝った。

autosport web
プジョー陣営のハンセンが原点“レッド”に回帰。新たな市街地戦構想にBTCC王者も興味/WorldRX

 長年にわたりWorldRX世界ラリークロス選手権の強豪としてプジョーを投入するハンセンWorldRXチームが、新年度に向けてフル電動モデル『プジョー208 RX1e』の印象的な新デザインを発表。そのスキームには“温故知新”とも言うべきハンセン・モータースポーツのファミリーカラーでもある“レッド”が復活し、その輝かしい伝統を表現している。  またシリーズは昨季最終戦として初開催し、成功を収めた香港に続き新たな市街地戦の構想を模索し、ラリークロスが生誕した国でもあるイギリスで開催中の人気イベント『MotoFest Coventry(モーターフェスト・コベントリー)』とジョイントし、来季2025年の世界選手権開催を計画している。

autosport web
WorldRX“6冠”の絶対王者が電動での王座防衛を捨て、持続可能燃料採用の“内燃機関”モデルに回帰

 電動化以降の2年間も、最高峰のRX1eクラスでWorldRX世界ラリークロス選手権連覇を達成し、前人未到6回のシリーズチャンピオン獲得記録を持つヨハン・クリストファーソンは、2024年のWorldRX開幕を前に「新たな挑戦」として、持続可能な燃料で駆動する内燃機関(ICE)搭載の『フォルクスワーゲン・ポロKMS 601 RX』にスイッチする。  今季より“Battle of Technologies(バトル・オブ・テクノロジーズ)”と銘打ち、新たにサステナブルフューエル採用のICE搭載車と、バッテリーEV(BEV)のRX1eモデルが混走することを認めたWorldRXだが、その新年度に向けここまで電動モデルでシリーズ連覇を達成してきたクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)が新たな方針を発表。スウェーデンを拠点とするオーロベイ社を通じて、ハイブリッド技術や燃焼パワートレイン・コンポーネントの世界的企業グループであるホース・パワートレイン・リミテッド社との新しい先駆的パートナーシップを結んだ。

autosport web
WorldRX参戦のCEディーラーチーム・バイ・ボルボ、グロンホルム&クララのペア継続を発表

 新たに“バトル・オブ・テクノロジーズ”のコンセプトを導入し、現在の電動最高峰クラス“RX1e”とサステナブル・フューエル採用の内燃機関(ICE)搭載モデルを混走させる2024年のWorldRX世界ラリークロス選手権に向け、改めてCEディーラーチーム・バイ・ボルボ・コンストラクション・イクイップメントが参戦体制を発表した。  シリーズ優勝経験者のニクラス・グロンホルムと、史上初の女性表彰台獲得者として瞬く間にスタードライバーへと駆け上がったクララ・アンダーソンのペアを続投し、オリジナルBEV車両でのタイトル獲得に照準を合わせている。

autosport web
約7年ぶりにフランスのDAレーシングが復帰。ツーリングカー王者も認めた37歳とプジョーで参戦/WorldRX

 遡ること約7年前の2017年に、フランスの独立系チームとして初めてWorldRX世界ラリークロス選手権にフル参戦したDAレーシングが、新たに“バトル・オブ・テクノロジーズ”の方針を掲げたシリーズへの本格復帰を表明。アンソニー・ペルフレーネを擁して内燃機関(ICE)搭載のプジョー208を走らせる。  電動最高峰クラスのRX1eに加え内燃機関モデルの混走を認め、サステナブル・フューエル採用のICEモデルを再登用することで参戦台数確保へ舵を切ったFIA国際自動車連盟だが、早速その方針が実るかたちでDAレーシングがトップカテゴリーへのカムバックを決断。かつて、この老舗はジャン・バティスト“JB”デュブールやグレゴワール・ドゥームスティエ、そしてWRC世界ラリー選手権優勝ドライバーのフランソワ・デュバルらをWorldRXに送り込んできた。

autosport web