
時間は「量子もつれ」の副産物に過ぎないとする研究 - ナゾロジー
時間は真なのか、それとも偽なのか?
イタリアのフィレンツェ大学(UNIFI)で行われた研究により、時間を否定するもう1つのシュレーディンガー方程式が発見され、時間は「量子もつれ」現象がうみだす副産物のような存在である可能性が示されました。
研究者たちは「私たちが時間の経過を知覚するということは、物理世界に何らかの「もつれ」が織り込まれていることかもしれません」と述べています。
私たちにとって当たり前の存在である「時間」。
この発見は既存の時間の概念を大きく揺るがすかもしれません。
ここではまず研究のベースになった「Paw機構」について解説しつつ、次ページで研究内容の紹介を行いたいと思います。…
ナゾロジー
「どんな小さな物も本当に重力を発するのか?」0.43mgの物体が発する重力の測定 - ナゾロジー
どんなに小さくても引かれ合います。
オランダのライデン大学(Leiden University)で2024年に行われた研究では、わずか0.43mgの微粒子が発生させる重力を測定することに成功したといいます。
これまでアインシュタインの重力理論をもとにした研究では、星やブラックホールなど大質量のものを中心に行われており、微小な質量の重力についての検証は進んでいませんでした。
微小な重力を測定する技術が進歩すれば「量子的重ね合わせにある粒子の重力」を測定するなど、量子力学と組み合わせた興味深い重力実験が可能になるでしょう。
しかし0.43mgの微粒子は、いったいどれほどの重力を発していたのでしょ…
ナゾロジー
研究者を苦しめたチート能力を持つ「物理学の悪魔」たち - ナゾロジー
科学の理論分野の研究においては、議論を行うために大胆な仮定を導入することがあります。
この方法は時間・空間・金銭などの理由で人間の手で再現困難な状況について考えたいときに特に有効です。
例えばアインシュタインらは光速に近い速度で飛ぶことができるロケットの存在を仮定して特殊相対性理論を考察したと言われています。
このような試みは思考実験と呼ばれます。
実際にやってみることが難しくても、その状況を頭の中でシミュレーションすることで科学者は数多くのヒントやひらめきを得てきました。
思考実験は科学の歴史にとって有益な営みです。
そして思考実験は同時に、超人的な能力を持つ存在を仮定することで、研究者の…
ナゾロジーシュレディンガー方程式をMATLABで解いてみた話 - Qiita
はじめまして、りょーつといいます。高専出身の大学院2年生です。研究の専門は力学や機構学で、Qiitaでは主に制御工学や数学に関する記事を書いています。 先日、恋人と量子力学の話題で盛り上がったことをきっかけに、ノリと勢いでシュレディンガー方程式を解いてみました。MATL...
Qiita
意識の根源は光か?脳で「量子もつれ」の発生源となりえる場所 - ナゾロジー
意識は光が担っているのかもしれません。
中国の上海大学(SHU)で行われた研究により、脳内で光子の「量子もつれ」を発生させている可能性がある場所が示されました。
この場所はニューロンの長い腕を覆うミエリン鞘に存在しており、研究ではここから生成された量子もつれ状態の光子が、脳全体を同期させる量子通信を実現している可能性が示されました。
脳活動が、不思議な量子世界の光子たちによって媒介されている場合、単なる電気信号を模倣するAIでは、人間のような意識を持たせるのは困難となるでしょう。
私たちの意識は、量子世界の光によって生成されているのでしょうか?
また脳はどうやってもつれ状態にある光子を生産し…
ナゾロジー
真空の揺らぎで「時間がぼやける」可能性が示された - ナゾロジー
アメリカのスティーブンス工科大学(Stevens Institute of Technology, SIT)とコロラド州立大学(Colorado State University, CSU)、さらに米国国立標準技術研究所(NIST)などの研究者によって行われた最新の理論研究により粒子が「真空の揺らぎ」によって動かされることで、ごくわずかな時間の歪みが起こる可能性があることが指摘されました。
これはアインシュタインの特殊相対性理論で知られる「高速で動くほど時間が遅れる」という現象の、さらに量子的なバージョンともいえるものです。
もしこの現象が実験で確認されれば、量子力学と相対論という二大理論の…
ナゾロジー
不確定性原理を回避する実験に成功――位置と運動量を同時に高精度で測定 - ナゾロジー
オーストラリアのシドニー大学(University of Sydney, USYD)と英国のブリストル大学(University of Bristol)などによって行われた研究により、量子力学の基本法則「ハイゼンベルクの不確定性原理」を回避して、これまで同時測定が不可能とされてきた位置と運動量という二つの物理量を、同時に高精度に測定することに成功しました。
核となる理論は、量子の揺らぎ(不確定性)そのものを完全になくすのではなく、あまり必要ではない情報を不確定性の闇の中に投げ込む代わりに、より精密に計りたい要素を引き出すという「情報の交換」です。
この量子的な交換を行うことで、古典的なセンサ…
ナゾロジー
ビッグバン以前の宇宙に新説――重力波が宇宙を紡いだ可能性 - ナゾロジー
スペインのバルセロナ大学(University of Barcelona/UB)を中心とする国際研究チームによって、宇宙誕生の新しいシナリオが提案されました。
従来の宇宙誕生過程では宇宙が始まった直後の急激な膨張を説明するために「インフラトン」と呼ばれる謎のエネルギーが仮定されてきました。
しかし今回の研究は、こうした未知のエネルギーに頼らず、私たちがすでに観測している量子と重力だけでだけで宇宙の構造(銀河や星の元になる密度のムラ)が作られた可能性を示しています。
この画期的な提案は、宇宙論の理論モデルを大きく変える可能性を秘めており、今後の宇宙観測でその正しさを確認できると期待されています…
ナゾロジー
“塊”も波になった——原子7000個級で猫状態のサイン - ナゾロジー
オーストリアのウィーン大学(University of Vienna)で行われた研究によって約7000個もの原子でできたナトリウムのナノ粒子を使った実験で、粒子がまるで波のように同時に複数の経路を進み、その結果として干渉縞(波どうしが重なり合って作る縞模様)を作り出すことを確認しました。
さらに研究チームは、粒子がどれほど大きくても量子のふるまいが維持されるかを示す指標「巨視性(マクロスコピシティ:μ)」を測定しました。
その結果、2019年に発表された分子干渉実験(μ=14.1)を超え、過去最高の巨視性 μ=15.5 を記録しました。
この成果は、量子力学が適用できる物質の大きさの限界を大…
ナゾロジー
「猫状態の光」で電子集団をまるごと「猫」にできる - ナゾロジー
東京大学の物理学者によって「猫状態の光」で電子を“猫”にする理論研究が発表されました。
この研究では特殊な「シュレディンガーの猫状態」の量子的性質を持つ光を当てて観測することで、多数の電子をまるごと量子重ね合わせ状態(シュレディンガーの猫状態)に誘導できる可能性が示されています。
これはある意味で「量子の猫を光から物質へ渡すこと」とも言えるでしょう。
これまでは猫状態の光を照射するだけでは電子を猫状態に保つことは難しいと考えられていましたが、「測定」という操作が量子性を復活させ、電子の集団全体を協調させるスイッチになることが理論的に明らかになったのです。
しかし測定は本来、量子的状態を壊して…
ナゾロジー