7月の本|国書刊行会

7月の本 時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉―― 12か月のうちの〈7月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。 四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。

国書刊行会

読み終わり
●長野まゆみの偏愛耽美作品集
長野氏が好きな作品を集めたものなので、本人はコメントのみ。古い作品をゆっくり、たくさん読みたい人におすすめ。

●ひとりだと感じたときあなたは探していた言葉に出会う
装丁に惹かれて。孤独は誰にでも感じることがありうる感情だけど、これは自分にはまだ早かったかも。難しい文章ではないので、気になる方はぜひ。
#長野まゆみ #若松英輔 #fedibird #読書

読み終わり
●遊覧旅行
前半はエッセイのようで、不思議な所に迷い込む物語。舞台は関西がほとんど。後半は少年たちの物語。どの篇も数ページの構成なので、ちょっとずつ読み進めるのにいいかも。
#長野まゆみ #fedibird #読書
湖畔地図製作社|国書刊行会

湖畔地図製作社 湖をわたって異世界へ――雨、波紋、等高線、球体、大航海時代 博物学的指向をともにするふたりが響きあう、 なんとも摩訶不思議な書物が誕生! スコープオブジェ×短篇小説 幸福なコラボレーション!  水辺のほうへ―― 〈おおよそ1

国書刊行会

夜明けがちかい。まだ街灯がともる川べりの道を、桜蔵(さくら)はひとりで走っていた。暗がりに、湿り気をおびた木の香がただよう。芽吹きの季節は、幹や枝がたっぷりと水をたくわえている。走っている身のうちにも、うるおいが満ちてくるのが心地よかった。
川の流れは、小石を洗いつつかすかな音をたてている。一時は泥のような色をして、いくつもの澱みをかかえこんだ排水路だったが、コンクリートの護岸をとりのぞいた今は、濁りのない水が流れている。

#長野まゆみ