愚痴の投下多め。
ちょっと話がそれるが、「黒川の女たち」で、隣の開拓団が集団自決をした、それが団の危機感を強めた、というエピソードが出てくるが、これを読んでそれが熊本県鹿本郡(かもとぐん)来民町(くたみまち)の来民開拓団であることを知った。
そしてこの開拓団は、被差別部落の住民を中心に組織された、「日本史上唯一の、国策によって行われた部落出身者中心の海外移住」であるんだと。(日本語版Wikipediaにより)
ちょっとこのWikipedia記事読むだけで胸が苦しい。
山本めゆ「引揚げの記憶/報道/研究における「娼婦」の他者化ー黒川開拓団・遺族会の経験を通じてー」(日本史研究734号,2023年10月)を読んだ。(国立国会図書館の遠隔複写サービス使用)
平井和子『占領下の女性たち』(岩波書店,2023)での問題提起を引き受け、それを黒川開拓団の経験から考察しようとしている。
《平井の前掲書が指摘したのは、彼らが団の娘以外の女性を頼った場面があったこと、なにより二次資料からでも知り得たはずの出来事を記者や研究者が軽視してきたことで、これは引揚げと性暴力被害に関心を持ってきた筆者も思わず息を呑むほど正鵠を射た指摘だった》
山本は『性暴力被害を聴く 「慰安婦」から現代の性搾取へ』(岩波書店,2020)の第8章「阻まれた声を通して性暴力を再考するー黒川遺族会の実践からー」筆者。この本持ってるじゃん、と「黒川の女たち」鑑賞後に気づいたのでした(序章だけ読んで積読してた)。
Amazonプライムビデオで追加課金なしで見られるNHKスペシャル『ドキュメント太平洋戦争』。崩壊は如実だったもののバブルの余波のうちにある1992年から93年にかけて作られた全6本。今見ると改めて大変面白い。
何が面白いかというと戦後50年(1995年)に向かう繁栄(番組ではまだそのように認識されている)の中で改めて太平洋戦争の「失敗の研究」をやっているから。
1本目=石油もくず鉄もほぼアメリカからの輸入に頼っていたのに、戦争に踏み切り、侵略した東南アジアからの海上輸送にまともな護衛もなかった事。
2本目=「大東亜共栄圏」の枢要な場所だったガダルカナルを簡単に取られ、陸軍の奪回作戦は日露戦争以来の銃剣突撃を3回繰り返す無策さと服部・辻ら参謀本部の無責任ぶり。
3本目=マリアナ沖海戦でアメリカが開発していたレーダー、ヘルキャット、VT信管に完全にやられたこと。開発力や人命の軽視。
4本目=内部では最後まで無理な作戦だと言われていたにもかかわらず強行されたインパール作戦の兵站の軽視と陸軍の無責任体質。
5本目=フィリピンの決戦。アメリカから支配権を奪取して以降、まとま植民地経営ができず現地人民の多くがゲリラ兵になってしまった杜撰。
6本目=沖縄を時間稼ぎに使い、仮想敵であったソ連に講和の仲介を依頼しようとする根拠無き希望的観測。当初の戦争の大義名分「自存自衛」と「大東亜共栄圏の確立」は簡単に捨てられ、天皇制の維持のみに固執したこと。
この番組から30年以上が経ち、90年代から衰退の一途を辿った後のこの国の今から見ると、この番組6本で提起されてた戦争の問題は、全く克服されておらず、今の状態を招いていることがよく分かる。
これ有料記事だったんだ プレゼント機能使ったのでこのURLからどうぞ
https://digital.asahi.com/articles/AST890HZ1T89TIPE01YM.html?ptoken=01K2KHZYSM628FA614R6DKVGFM