#statistics #probability

https://mathtod.online/@HirokiMori/468938

面倒なのでディリクレ分布の話はせずにベータ分布の話。

$0 < x < 1$ におけるベータ分布$$
p(x)\propto x^{a-1}(1-x)^{b-1}
$$が proper (確率の総和を1に正規化できる) になるための必要十分条件は $a$ も $b$ も正になることです。

0以下だと(0であっても) improper になってしまい、確率分布だとは言えなくなってしまいます。

improperな分布も役に立つことはあるのでしょうが、improperな度合いが大きくなるとそれだけ確率分布の世界から大きく離れるので、その辺は「自己責任で」ということなのだと思います。

$x^{a-1}$ とした方が $x^a$ とするより便利な理由は、$$
x^{a-1}\,dx = x^a\,\frac{dx}x
$$の $dx/x$ の部分がスケーリングについて不変な測度になっているからです。そのおかげでたくさんの計算が楽にできる。

#statistics #probability #mathNT

正の実数をかけるスケール変換は正の実数全体のなす可換群の作用とみなせます。

群の作用で保存されるような測度で積分を書いておくと、その測度の部分については群作用で形が変わらないことになります。

例えば、$dx/x$ の場合には、 $x$ を $ax$ で置き換えても、分子分母で $a$ がキャンセルして $dx/x$ のまま変化しません。

$dx$ は平行移動不変な測度です。 $x$ を $x+a$ で置き換えても $dx$ は変化しない。

この手の測度は数学的に極めて素性が良いもので、ありとあらゆる場所に現われます。

こういうことを色々理解していると、同じような不変性を持つ測度を使って全然別の数学の世界で別の面白い数学を展開できたりします。

例えば、話題のベータ函数の有限体での類似物を考えると、ヤコビ和という数論的に極めて有用な道具が得られます。

#mathematics

線形代数の授業で、基礎となる体の例として、

・二元体 $\mathbb F_2=\{0,1\}$, $1+1=0$

・有理数体

・実数体

・複素数体

などを基本的な例として挙げる人は多いと思います。

二元体上の線形代数を使うとデジタルコンピューターで有用な数学を展開できます。メルセンヌツイスターやその後継者たちはまさにそういう話になっています。

有理数体は数論の基礎になる体です。数論は今や我々の文明を支える基本的なテクノロジーのうちの一つだと言って良いでしょう。

実数体は統計学や物理学で様々なものをモデル化するときに使われる基本的な道具。

複素数体上のベクトル空間の理論は量子力学を理解するためには必須の予備知識です。

大学1年で線形代数を習った人は、デジタルコンピューターから量子力学まですべてを同じ視点から眺めることができるようになっているはずなのだ。

実際、それらすべてのあいだに様々な類似関係が成立しています。

大学新入生向けの授業だという理由で触れられない有用な体は他にもたくさんあります。