深淵の星|Deadly_Poison

 私の世界には、音がない。  空気を震わせる声も、風が砂を撫でる囁きも、何一つ存在しない。  私の世界には、光がない。  道を照らす月も、瞬く星さえも、何一つ存在しない。  そして、私の世界には、時間という概念すらないのかもしれない。始まりもなければ、終わりもない。ただ、永劫に続く夜が、すべてを支配している。  ここは深淵。  すべてを凍てつかせようとする絶対的な冷気が満ちている。けれど、その冷気によって凍るべき水分すら、この世界には存在しない。どこまでも続くのは、乾ききった暗黒の砂漠。触れるものすべてから熱を奪い、存在そのものを希薄にさせる、虚無の大地だ。  私は、いつからここにいる

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