> 現在の日本に当てはめて考えてみれば、#原子力開発 の影の部分を引き受け恐怖にさらされるのは過疎地域の人々であり、「ケータイ」の#電磁波 に不安を覚えるのは心臓に疾患をもつ人々であるといったことが挙げられる。たしかに、#原子力技術 それ自体に地域間格差という問題が、#携帯電話 の通信技術それ自体に#健康被害 という問題が内包されているわけではない(絶対に避けられないわけではないからである)。しかし、それにもかかわらず、いずれもそれが弱者に集中的に弊害をもたらすような結果になってしまう。また、
発ガン性物質、内分泌撹乱物質、地球規模環境汚染等の問題は、あまりにも薄く広がりすぎていて、因果関係と責任の所在を見失うほどである。そこでは、「技術中立説」のもと、技術そのものが免責される。
このように圧倒的な利便性の中で取り残された部分に生じる諸問題こそが現代の技術論の課題であるとするならば、「本質的に政治的な技術」こそがまさに現代的な課題となるであろう。
#原発 #ラングドンウィナー #鯨と原子炉