『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』が突きつけた人生の不可逆性と抑圧された者の悲哀:執着から離れるための鍵とは何か|髙橋優 @iovistakahasius #コンテンツ会議 https://note.com/iovis_takahasius/n/n25d069d273ad?sub_rt=share_sb
5月分更新です。今月は #映画たべっ子どうぶつ の魅力について、マッカロン教授に注目して書きました。
『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』が突きつけた人生の不可逆性と抑圧された者の悲哀:執着から離れるための鍵とは何か|髙橋優

True friends stab you in the front. 真の友は正面からあなたの欠点を鋭く指摘してくるものだ。 ――オスカー・ワイルドの言葉とされる  あるメッセージがあるとして、それを真に必要としている者に届けるのは実に難しい。闇バイトの危険性を訴える活動が闇バイトに関与する蓋然性の高い者には認知されなかったり、企業内におけるハラスメント防止のための研修がハラスメント加害者になりがちな経営層や管理職から真剣に受講されなかったりするなど、啓蒙や教育がうまくいかない例は枚挙にいとまがない。公共性の高い広報活動や強制参加型の研修ですら、隅々までメッセージを行き渡らせるのは

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noteの #コンテンツ会議 応募作品の中で、『野生の島のロズ』(The Wild Robot)評が先週特にスキを集めたと通知が届きました。 お読みいただいた皆様、いいね・拡散いただいた皆様、嬉しいコメントをくださった皆様、ありがとうございました!
#野生の島のロズ

https://note.com/iovis_takahasius/n/nc8ccf97e3fa9

映画『野生の島のロズ』に見る分断の時代のしたたかな戦略:プログラムを超えて生きることは陣地戦である|髙橋優

 2025年2月7日、クリス・サンダース(Chris Sanders)の監督作『野生の島のロズ』(2024年、原題はThe Wild Robot)が日本で公開された。ドリームワークス・アニメーション30周年記念作品にあたる本作は、一方で分断や差別を乗り越える家族愛や相互扶助を美しくも気高く描き出した希望の物語であった。しかし他方で、分断の時代における行動は粘り強くしたたかな戦略を必要としているが、それはときに構造や体制の温存や現状への屈従と紙一重の差しかないということを暗に示す作品でもあった。  本作は、無人島に漂着した最新型アシスト・ロボットのロズ(正式名称はRozzum unit

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映画『野生の島のロズ』に見る分断の時代のしたたかな戦略:プログラムを超えて生きることは陣地戦である|髙橋優 #note #コンテンツ会議

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2月分更新。『ペルリンプスと秘密の森』も思い出しながら、内側に潜入し、少しずつ変革することについて考えました。

#野生の島のロズ

映画『野生の島のロズ』に見る分断の時代のしたたかな戦略:プログラムを超えて生きることは陣地戦である|髙橋優

 2025年2月7日、クリス・サンダース(Chris Sanders)の監督作『野生の島のロズ』(2024年、原題はThe Wild Robot)が日本で公開された。ドリームワークス・アニメーション30周年記念作品にあたる本作は、一方で分断や差別を乗り越える家族愛や相互扶助を美しくも気高く描き出した希望の物語であった。しかし他方で、分断の時代における行動は粘り強くしたたかな戦略を必要としているが、それはときに構造や体制の温存や現状への屈従と紙一重の差しかないということを暗に示す作品でもあった。  本作は、無人島に漂着した最新型アシスト・ロボットのロズ(正式名称はRozzum unit

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noteの #コンテンツ会議 応募作品の中で、『パト2』評が先週特にスキを集めたと通知が届きました。 お読みいただいた皆様、いいね・拡散いただいた皆様、嬉しいコメントをくださった皆様、ありがとうございました!
本年も大変お世話になりました。皆様、よいお年をお迎えください!

名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第13回:『機動警察パトレイバー2 the Movie』|髙橋優 @iovistakahasius #note #コンテンツ会議 https://note.com/iovis_takahasius/n/naaacea6f7b4f?sub_rt=share_sb

2024年最後の更新。9月の『パト1』に続けて『パト2』に取り組みました。年末に「アニメで描かれる戦争」を考えるのが恒例行事になりそう。

名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第13回:『機動警察パトレイバー2 the Movie』|髙橋優

はじめに どこかの首相が信奉している古くさい警句「平和を欲するならば、準備せよ、戦争を」“If you want peace, prepare (for) war” を僕は信じません。それをフランス語のダジャレで見事に逆転させた詩人プレヴェールの警句 “If you don’t want war, repair peace” の方を、若い皆さん同様、僕は信じます。「戦争を欲しないならば、repair peace! つくろえ、平和を!」 ――高畑勲 (「安保法案東京大学人緊急シンポジウム」(2015年9月8日)に際して寄せられたコメント)  押井守の監督作『機動警察パトレイバー2

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noteの #コンテンツ会議 応募作品の中で、#映画ふれる 評(『ふれる。』を穿つ永瀬廉の声)が先週特にスキを集めたと通知が届きました。

お読みいただいた皆様、いいね・拡散いただいた皆様、嬉しいコメントをくださった皆様、ありがとうございました!引き続きよろしくお願いします!
#note

https://note.com/iovis_takahasius/n/n52c51900acb1?sub_rt=share_sb

吸い込まれるような漆黒、または絶対的な虚無:『ふれる。』を穿つ永瀬廉の声|髙橋優

はじめに  その前ではすべてが瞬く間に静止する――永瀬廉の声は絶対的な響きをもって聞こえた。ここでは「聞き惚れる」などという表現は適切ではない。私は彼の声の前に、ただ呆然と立ち尽くすほかなかった。  2024年10月4日に劇場公開されたアニメ映画『ふれる。』は、端的に言って、アイドルグループ・King & Princeのメンバーである永瀬廉のために用意された演舞場のような作品だった。本作のオフィシャルな宣伝においては、長井龍雪が監督、岡田麿里が脚本、田中将賀がキャラクターデザインを務めるという布陣がその主軸をなしていた(*)。しかし、実際に蓋を開けてみると、本作においてはこ

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吸い込まれるような漆黒、または絶対的な虚無:『ふれる。』を穿つ永瀬廉の声|髙橋優 @iovistakahasius #note #コンテンツ会議 https://note.com/iovis_takahasius/n/n52c51900acb1?sub_rt=share_sb

10月分更新です。先月書き忘れましたが、noteでの活動も5年目に入りました。これからもインプットとアウトプットをいい塩梅で続けていきます!

吸い込まれるような漆黒、または絶対的な虚無:『ふれる。』を穿つ永瀬廉の声|髙橋優

はじめに  その前ではすべてが瞬く間に静止する――永瀬廉の声は絶対的な響きをもって聞こえた。ここでは「聞き惚れる」などという表現は適切ではない。私は彼の声の前に、ただ呆然と立ち尽くすほかなかった。  2024年10月4日に劇場公開されたアニメ映画『ふれる。』は、端的に言って、アイドルグループ・King & Princeのメンバーである永瀬廉のために用意された演舞場のような作品だった。本作のオフィシャルな宣伝においては、長井龍雪が監督、岡田麿里が脚本、田中将賀がキャラクターデザインを務めるという布陣がその主軸をなしていた(*)。しかし、実際に蓋を開けてみると、本作においてはこ

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名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第12回:『機動警察パトレイバー 劇場版』|髙橋優 @iovistakahasius #note #コンテンツ会議
https://note.com/iovis_takahasius/n/n4c3ad7c13c9a

9月分更新。『パト1』35周年に合わせて所感を書きました。本筋ではないものの『パト2』との比較も若干しています。

#機動警察パトレイバー

名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第12回:『機動警察パトレイバー 劇場版』|髙橋優

はじめに  押井守の監督作『機動警察パトレイバー 劇場版』(1989年、以下『パト1』と略記)が、劇場公開35周年を記念して全国でリバイバル上映されている。私はもともと「パトレイバーファン」だったわけでも「押井ファン」だったわけでもなく、今般の35周年を「節目」と評する立場にはないけれど、『パト1』に関する所感を書くのにちょうどいい機会ではあるため、ここで取り上げることにする。 【公開35周年記念】押井守監督『機動警察パトレイバー 劇場版』9月20日(金)より全国105館でリバイバル上映決定! FILMAGA(フィルマガ) ©1989 HEADGEAR/BANDAI V

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名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第11回:『オシャレ魔女♥ラブandベリー しあわせのまほう』|髙橋優 @iovistakahasius #note #コンテンツ会議 https://note.com/iovis_takahasius/n/n6bf518194e73?sub_rt=share_sb

8月分更新です。地上波初放送となった標題作について、ストーリーと声優の観点から書きました。

#ラブandベリー20周年

名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第11回:『オシャレ魔女♥ラブandベリー しあわせのまほう』|髙橋優

はじめに  2024年8月14日(水)、TOKYO MXでアニメ映画『オシャレ魔女♥ラブandベリー しあわせのまほう』(2007年3月21日劇場公開;以下、『しあわせのまほう』と略記)が地上波初放送の機会を得た。本作はセガのキッズカードゲーム「オシャレ魔女♥ラブandベリー」(以下、「ラブベリ」と略記)を原作としたオリジナルストーリーであり、「ラブベリ」に登場する二人のオシャレ魔女、ラブ(CV: 今野宏美)とベリー(CV: 柳井久代)がオシャレ魔法学園に入学するまでの経緯を描いている。今般の地上波初放送は「ラブベリ」のリリース20周年を記念した様々な施策の一端を担うものである(参考

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noteの #アニメ感想文 および #コンテンツ会議 応募作品の中で、#トラペジウム 評が先週特にスキを集めたと通知が届きました。お読みいただいた皆様、いいね・拡散いただいた皆様、嬉しいコメントをくださった皆様、ありがとうございました!引き続きよろしくお願いします!

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映画『トラペジウム』におけるエゴイズムの再評価:客観的指標の不在と横溢する自意識の肯定|髙橋優

※本記事は映画『トラペジウム』のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。 はじめに  究極的に、アイドルはエゴイストでなければならない。エゴイスト同士がぶつかり合い、しのぎを削るアリーナ、それこそがアイドルの世界である。この異種格闘技戦によって育まれるのが、多様性と呼ばれる水平的な散らばりである。その意味で、アイドルの世界は外界への準用の可能性を秘めている。  2024年5月10日に劇場公開されたアニメ映画『トラペジウム』は、高校生のアイドル活動の蹉跌を題材にとり、人間のエゴイズムに関する洞察に長けた秀作であった。本作はアイドルに焦がれる高校一年生・東ゆう(CV: 結川

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