自分の複雑な状況をラベルで定義されたくないという気持ちもわかる（ラベルが細分化されていったのも現状の意味では足りないから、というのも前提にあるだろうし）

だけど、ラベルって便利なんだよね。
情報を見つけやすいし、自分の状況を説明するのに使いやすいし伝わりやすい（相手が知っていればだけど）
ラベルが変な形で意味をねじまられたり、マジョリティに簒奪されたり、蔑称として使われない限りにおいては…。

#Ace #Asexual #アセクシュアル

あと、さらに個人的な感想としては、前から気付いてはいたんだけど、本書を読んでいて、惹かれのうち「美的惹かれ」は私にもあって、そこらへんも自分の中でその他惹かれとの混乱の原因になってそうだなと思った。これは恋愛感情と違うのか？とか。

それと、AceやAroの概念は、全か無か・白黒みたいな話ではなく、複雑なものを複雑なものとして受け入れる世界ということで、
（たとえば、アンブレラタームとしてグレーやデミが入っていることがそう）そのあたりの曖昧さが自分と相性がいい気がしている。
（インターセクショナリティという観点からは足りない部分があるとは思うけれど…）

本書はアメリカ在住のアジア系の著者のルポ、ということで、当然日本社会と異なる部分があるんだけれど、恋愛が他の関係性よりも優位で、恋愛に基づく婚姻の結果、これまでのコミュニティを離脱する周囲を見送るほろ苦さを
ジョーという人が語る部分（p.284あたり）は、いづこも同じ秋の夕暮れ…みたいな気持ちになったね。  
#アセクシュアル #asexual #ace

セクシュアリティのラベルの話も少し自分のモヤモヤを整理できた気がする。

ラベルを使うことについて、自分も複数の気持ちがある。
有徴性がある属性は居心地が悪い。名付けられるということは異質というレッテルにつながりやすいし、私という個人の一部に過ぎないのに、その属性が私の全てであるかのようにも扱われかねない。
でも、著者と同じくラベルは私にとって有用だ。
例えば「アセクシュアル」という用語のおかげで、私の違和感が言語化され、情報にアクセスできる。
用語のおかげで私の世界は広がったし、誰かの経験も私の経験も共有されやすくなる。
ラベルを選ぶも使うも自由だけど、必要な人はきっといるし、必要な人にとって有用なものであってほしいと思う。
#アセクシュアル #asexual #ace