ここは、正義の味方の寄り合い所、独立正義者連合の日本支部(を兼ねている居酒屋)だ。日本在住でフリーの正義の味方は1割引で利用できる。そのため毎晩のように幾多の正義の味方が日々のストレスを解消しにやってくるのだ。
「ほんと、最近ふえましたよね」と、周りを見渡し青マスクの男が言う。
「簡単な自己実現だからなあ」と連れの赤マスク。
人に尊敬され、スゴイと言われたい。そんな欲求をかなえるのに正義の味方は最適な方法なのだ。ちょっとした悪を正すことで正義を名乗れるし、場合によっては日本はおろか世界中で称賛されるヒーローになれるかもしれない。
しかし、皆がこぞって正義をし始めたため、いまやプロで生活をまかなえるヒーローは供給過多。多くの正義の味方はフリーやインディーズで小粒の正義を行っては糊口を凌いでいる状況だ。
「真面目な話さ、プロデビューしても生き残れるのは一部だって話だぜ」
プロとして大手に採用されても、いったんその契約が追わればまたフリーに戻ってしまう。正義の道は長く険しいのだ。
「やっぱり、宣伝ですかねえ」
「嫌な世の中になったもんだなあ」
#500ss