暴食の怪物|Deadly_Poison

 オレンジと紫が滲んだ絵の具のように混じり合う、黄昏の空だった。  部活終わりの気だるい体を引きずって、僕は海沿いの坂道を歩いていた。潮の香りと、どこかの家から漂ってくる夕飯の匂い。いつもと同じ、退屈で、そして平和な日常の一コマ。のはずだった。  「なんか、今日の夕焼けって不気味なくらい綺麗だよな」  隣を歩く拓也が、スマホを空に向けながら言った。ファインダー越しに見える世界は、現実よりも少しだけ鮮やかだったのかもしれない。  その時だ。  ゴゴゴゴゴ……。  足の裏から、低い唸り声のような振動が伝わってきた。大地が腹の底から呻いている。最初は、またいつもの地震かと思った。この辺りでは

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