朽ちる家、消える責任|Deadly_Poison

 俺、相田翔太(あいだ しょうた)の夏休みは、毎年恒例の祖父母の家から始まる。古い木造家屋が並ぶ、坂の多いその町は、蝉の声と潮の香りが混じり合う、どこか懐かしい場所だ。しかし、今年の夏、その懐かしさには不協和音が混じっていた。  「翔太、あっちには行っちゃいかんよ」。  縁側で麦茶を飲みながら、祖母が指さしたのは隣の家だった。かつては小綺麗な庭があったはずのその家は、今は見る影もない。屋根瓦は崩れ落ち、壁には蔦が不気味に絡みついている。ガラスの割れた窓は、まるで虚ろな眼窩のようだ。台風でも来ようものなら、いつこちらに崩れかかってきてもおかしくない。  「なんで?もう誰も住んでないんだろ

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