日本における外国人指紋押捺制度は一旦反対運動によって廃止させられた後、2007年に復活してしまったんですよね。こういう制度は日本国籍だとなかなか知ることができない。
指紋の強制採取の廃止に加え、強制退去のない無条件の永住を今改めてセットで訴える必要が出てしまっている…。
#入管法改悪反対
外国人指紋押捺制度の復活に際しては、それ以前から反対運動を担ってきた特別永住者は除外されているそうですね。
日本において、「外国籍者」でもこのように序列がつけられてしまっている(もちろんこの序列のトップには日本国籍者がいる)が、これは不当に不当を重ねるような処置だと私は思います。正義ではない。全ての外国籍者・非日本国籍者(日本国籍を持たない人)への差別、義務付けをやめろ。
前掲ポスターがいつ頃製作されたものなのか私は知りませんが、30年くらいは前のものでしょう。
下部に、当時の運動の訴えが簡潔に二つ記されています。実現されるべきものです。
・撤廃せよ/在日外国人に強制される指紋・外国人登録証の常時携帯・登録切替・重罰制度を。
・獲得しよう/強制退去のない無条件の永住を。
指紋押捺に関して、決定的な本てよく知らないんだけど、手持ちで一番良く書いてるのはこれ。 田中宏『在日外国人』(岩波新書) https://www.amazon.co.jp/%E5%9C%A8%E6%97%A5%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA-%E7%AC%AC%E4%B8%89%E7%89%88%E2%80%95%E2%80%95%E6%B3%95%E3%81%AE%E5%A3%81-%E5%BF%83%E3%81%AE%E6%BA%9D-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%94%B0%E4%B8%AD/dp/4004314291
顔認証システムへの登録や指紋情報の提出のほか、日本で進んでいるマイナンバー制度もそうですが、「幸福な監視社会」であれば問題がないのか?監視社会であることが問題なのではないか?という観点はなかなか広まりません。
国家や大企業への信頼度が高い背景には「ある程度経済的、体感治安に満足して生活できている」という環境要因もあると思いますが、権利意識の低さは問題ですし、マイノリティがあからさまに「管理対象」とされている社会への怒りがないことも問題です。
利便性に関して付け加えるなら、日本のマイナンバー施策に関する技術的不手際が度々揶揄されますが、かといってプラバシー保護や新技術を導入しない市民の権益を保護する法制等も定められないままに管理がスムーズに進行し、完全に普及させられてしまうのも問題ではあるわけです。
国家や私企業に個人情報が集約されるリスクは草の根運動の当事者となる市民が増えればこれに伴って認識も進むのかもしれません。日本も反基地運動をしただけの市民が監視対象にされていた事例が明らかになっていますので、警察などは運動参加者の身元解析にもこのような技術を使いたいと思っているでしょう。
例えばデジタル(監視)技術先進国として評価される中国ではネット利用と個人情報の紐付けによる「実名化」が進み、インフラや公共交通の利用に個人情報と紐つけられたスマホ利用が前提になるなどもしているそうで、この裏面ではこのシステムを利用した政治的プロテスターの追跡や行動制限が実際に発生しています。ただ、社会全体で見れば圧倒的に少数の事例ではあり、やはりおおかたの認識としては「利便性」が評価されているはずです。
中国スピードはすごいんですけど、やはり一党体制の「国民管理」の賜物ではあって、問題は少なくないだろうと思います。
不便を強いられずに選択できることがセットであるべきだろうと思いますが、スマホ社会化やマイナンバーカード普及に関してもじわじわと選択肢を潰されているよなあという感じがします。
興味があって以前ブクマしたままになっています💦
https://www.iwanami.co.jp/book/b226216.html
https://dl.ndl.go.jp/pid/12749065
(こちらは国立図書館の登録が必要)
私も何かおすすめがあれば知りたいです。