リミ フゥ(LIMI feu)の2025-26年秋冬コレクションを紹介。テーマは、「Happens(ハプンズ)」。偶然に生じたパターン今季のリミ フゥは、あえて計算せず、偶然に「生じる」または「起こる」ことに身を任せてパターンを製作。コレクションを通じて、不確定な要素や偶然の産物を肯定し、“新たなベーシック”に行き着くまでの線を探し出していく。そんな今季のムードを象徴するのが、複雑なパターンから生まれたアンバランスなシルエットだ。ジャケットは、シワ感のあるレザーベストと色褪せたコーデュロイ生地をドッキングし、唯一無二のフォルムを描き出す。ドローストリングを配した袖部分は、自在にシルエットをアレンジしたり、ボタンで袖を取り外したり…と、纏う者によって異なる佇まいを演出する。ほつれたベルトが絡まるトレンチコートや、不規則にギャザーを寄せたチェックスカート、着物のように着るジャケット、編地を斜めにして構築したアシンメトリーニットなど、変則的でありながらもボディに溶け込むルックが提案された。凹凸のある素材趣向を凝らした素材使いも見逃せない。たとえば透け感のあるシャツは、繊細なレース素材とネイビーのストライプ生地をボンディング。そのボンディング生地を溶かし、手で裂くことでアシンメトリーな凹凸感を生地表面に露出させた。また、あえてガーゼ状に織ったウールシャツや、ダメージ加工を施したブラックデニム、黒く染めたチェック地なども印象的だ。ボルドーの温かいエッセンスブラックを主軸としたカラーパレットに、ボルドーが差し込まれているのも今季ならでは。ところどころ手で裂いたリブニットや、太めの毛糸で襟とポケット部分をかがり縫いしたコート、ボルドーの糸でステッチを施したセットアップがコレクション全体に温かみのあるアクセントを加えていた。
メアグラーティア(meagratia)の2025-26年秋冬コレクションが、楽天ファッション・ウィーク東京期間中の2025年3月17日(月)に発表された。懐旧の念「A piece of nostalgia」をテーマとした、今季のメアグラーティア。インスピレーションソースは、デザイナーである関根隆文がファッションに目覚めた10代の頃の'出会いと交錯”だ。そんな懐旧の念を、現在の彼が持つ感覚や思考をもとに体現したコレクションを展開する。原宿のストリートカルチャー関根の根幹にあるのが、足繫く通った原宿のストリートファッション。たとえばカーキ色のMA-1には、人々に花の姿を重ねるメアグラーティアらしく、シアーなフラワー生地をドッキングし、'昔と今”の時間軸を共存させている。あえてデニムのほつれを見せて、経年劣化を帯びたデニムパンツ、腰にチャックシャツ3枚を垂らしたスカートなども原宿カルチャーを感じさせる。学生時代と現在学生時代を彷彿とさせる、スクールテイストも今季ならでは。制服のブレザーのデザインを落とし込んだ開襟シャツや、カレッジロゴ入りスウェットのようなプルオーバー、サイドに繊細なレースラインを施したスラックスなど、リアルクローズに昇華させたアイテムが登場した。草花のエネルギークラシカルなテーラードジャケットには、のびのびと咲く一輪の花をあしらい、草花のエネルギーを表現。関根とメアグラーティアの成長を暗示しているように見えた。