なんとなく目について、ほぼ予備知識入れずに見た
当然原作は未読
監督も名前しか知らない人(たぶん有名)だし出演者もロングコートダディの兎さん以外は誰も知らないという不利な状況だったけど、見てよかった

なんか映画的な文法と漫画的な文法でどっちつかずな気がして(自分が平成以降の日本映画に無知すぎるだけで、あれが今の日本映画の文法なのかも)ちょっと苦手かもと思いながら見てたけど、辿り着いたエンドロールでしっかり胸が締め付けられたのでちゃんと心をつかまれてたんだろう
エンドロールが流れる横で主人公の1人がただ座って音楽を聞いてる定点のショット、とてもよかった
久保史緒里という人素晴らしいんじゃ

中盤、主人公2人あるいは男子2人が加わってどうでもいいことを喋ってる辺りは普通に映画としてよかった
あと1時間ぐらい聞いていたい感じがした
あの辺ちょっとゴーストワールドっぽいかも
#見た映画

いつかもう一度見たいか:死ぬまでにあと3回ぐらいは見たい

文章冒頭から映画の結末に触れてる注意
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ところどころなんだかなあと思いながら見てたけど、最後に車が崖から飛び出した瞬間、これはアメリカンニューシネマでありかつ「モラハラやら性暴力やらで男に苦しめられ続けた女2人が旅をしながら場当たり的に男をとっちめたり食ったり他にもいろいろ犯罪したりして警察に包囲されてどうしようもなくなったら手を取り合って死ぬ」という立派なアウトロー映画だったことを理解して、なんだかなあと思っていた部分すべてに納得がいった

自身を取り巻く環境の理不尽さ・苛酷さが主人公を犯罪に駆り立て、最後に死へ向かわせるのはアウトロー映画のひとつの典型だと思う
たとえば『血まみれギャングママ』なんてまさに周りの男によってアウトロー化した女の話だし

本作の最後に主人公たちを崖のそばに追い詰める警察官が(画面に映る限り、また外見で判断する限り)全員男性なのは象徴的(時代性・地域性他を考えれば特に不自然でもないのだろうけど、それだけになおさら)
2人は自分らの意志で崖から飛んだけど、社会の理不尽さに抵抗を試みた結果として世界からはじき出されたともいえる
そのとき隣に友達がいたことだけが救いだったんだと思う

主要キャラクター全員よかったけど、とくにテルマのキャラクターがよかった
最初は奔放さ・軽率さに軽い苛立ちを覚えるけど、それが十代で結婚して以来毒夫から受け続けてきた抑圧の反動であることが分かると、言動の一つひとつが愛おしくなる

その毒夫も小物っぷりが微笑ましくてよかった
主人公たちに共感するならテルマを苦しめるこの男を憎むべきなのだけど、憎み切れない
少なくとも自分はそうだった
主人公たちも男にさんざん苦しめられながらも関係を簡単には断ち切れないし、テルマにいたっては男に手ひどく裏切られては次の男を求めることを繰り返す
男、あるいは男性性そのものを主人公たちと完全に敵対する存在として描かなかった意図は分からないけど、自分には人間や世界の複雑さ(や、それゆえの救われなさ)をそのまま描こうとしたように見えた
もちろんそれは男たちへの赦しではないだろう
世界へのある種の諦めなのかもしれない

映像的に面白かったところ
78分あたり
画面には快晴の路上が映っているのに、雨のような音が聞こえる
カメラが振られて道路脇の草むらに入り、そのまま左に草むらを抜けると、大雨が降る全く別の場所の道路が映っている
快晴の道路と雨の道路が平行に走っているような感じ
コマ送りで見てもつなぎ目が分からない

あと終盤、主人公たちの車がパトカーをかすめてすれ違ったときにちぎれて飛ぶサイドミラーをとらえたスローのカットはこれ見よがしな感じがなくておしゃれだった
廃村?を突っ切ってだだっ広い荒野をたくさんの車が駆け抜けていくカーチェイスを上空からとらえたショットもかっこよかった

あと、道中に立ち寄る店でかかってる音楽や演奏される音楽がことごとくよかった
80~90年代の米ルーツロック、サウンドが硬くて絶妙にダサかっこいい
#見た映画 #ドラマ映画

ニコラスケイジのB+級映画でも見るかーと思って見たらローレンス・フィッシュバーンも出てきたので得した
ローレンス・フィッシュバーン大好き

全編うっすら皮肉っぽくて好きな雰囲気だった
ストーリーというより麻薬にまつわる複数国をまたいだ構造(の揺るぎ無さ)自体を諦観をもって描いてる感じ
役に固有名詞がついてないのもそういうことなんだろう多分
忘れかけた頃にもう1回ぐらい見ても楽しめると思うぞ @未来の自分

しかしこのアートワーク https://www.amazon.co.jp/dp/B08M43BFVJ 、全然こんなテンションの映画じゃないのに劇中にちょっとだけ出てきたモチーフを組み合わせて(グラサン+スーツで銃を構えるフィッシュバーンだけは登場してない気がする)熱いアクション映画のような画に仕立ててるの逆に感心する
#見た映画 #犯罪映画

Amazon.co.jp

割と丁寧な作りで面白かった
一軒の家(+周辺の環境)を舞台装置としてフル活用してる感じで、限定的なシチュエーションのなかにもいろいろと展開があった
#見た映画

冒頭1,2分の長回しがシンプルだけど才気にあふれててうぉお!?てなった
字にしたところで見てない人にはなんのこっちゃ分からないだろうけどメモ

カメラは建物の入り口を斜め横から撮っている
洛中洛外図のような鳥瞰視点をもっと地面に近づけて、対象に寄った感じ
建物の前を通る歩道が、画面奥から手前の向かって右下へと通っている

建物から男が出て来、歩道をこちらに向かって歩きだす
歩く男に合わせてカメラが後退し、男が常に画面のほぼ中央にとらえられている

カメラが後退するにつれ、建物の角でこちらに背を向けて直立する2人の男が画面右下に見えてくる
歩いてきた男が2人の前で立ち止まり挨拶をかわす
3人そろって建物沿いに画面右側へと歩く
カメラも追う
3人は停めてある車に乗り込む

ここまでカット割りなし
建物や歩道、人物の動線など直線が強調された撮り方で、とても印象に残った
でも以降は割とオーソドックスな作りだった

主人公2人の関係性はとてもよかった
仲間意識で結ばれつつも、いつ敵対するとも限らないほのかな緊張感が漂う
それだけに時折お互いへ向ける笑顔がたまらん

あとナイフを投げるところ、他愛ないトリック撮影だけどタイミングとかうまくて効果的だった
#見た映画 #映画

ながら見
丹波哲郎の圧倒的存在感
凝りすぎてアングラ演劇みたいになってるキャバレーのショー
あの店の客層の誰があれ見て喜ぶんだ…
#見た映画
ル豆(雲) (@ulmm)

映画『サンクスギビング』(2023) ※弱ネタバレ

misskey.cloud
猛烈にコーラが飲みたくなったのでコーラにふさわしい映画を見ながら飲もうと思って視聴
2作で1200ml飲んだ、おいしかった
以下、どちらかというとよくない意味で気になったところ
(自分の無知ゆえの引っ掛かりで、実は全然問題ないかも)

1作目、本筋とは無関係の小さなエピソードで、ゾンビを1体倒すために(おそらく他にいくらでも手段があったにも関わらず)グランドピアノ1台を破壊してた
この映画で一番ショッキングなシーンだったかもしれない
紙幣が紙切れになった世界だからと言って音楽/楽器の価値が目減りするとは限らないし、人によってはその価値はむしろ上がると思う
そして米国以外でもゾンビの感染症が広がってるとしたら、ピアノを安定的に製造・供給するのは極めて難しいだろう
貴重品や高級品、あるいはある種の権威やステータスをまとっている物を壊すからこそのカタルシスというのはあるのだろうけど、その辺の振りもなければ必然性も感じられずちょっとモヤモヤした
ただ場所がキリスト教施設らしき場所の玄関先だったので、それと合わせて何らかの含意があるのかもしれない
東洋の島国に住む非キリスト者には残念ながら察しがつかなかった

映画冒頭に「アメリカを作ったのは人であり、その人間がほとんどいなくなった今ここをアメリカとは呼べない」といった内容のモノローグが入る
これと呼応して旧来の世界や価値観との決別を表現してるのかなどと勘ぐってみたりもしたけど、だとすると登場人物の一人が旧時代の大量生産の菓子に固執することと整合しない気がする

もうひとつ、土産物屋の物品を破壊する場面もちょっと気になった
白人のみで構成されている(ように見える)主人公グループが、「ちょっとした楽しみ」のためにアメリカ先住民の民芸品風の品物を破壊したり、おもちゃにしたりするところ
これもあえて民芸品を選ぶ必然性はないように思える
ただその店にはカウボーイの衣装なども置いてあり、無節操でパチモン寄りの店のような感じもあった
そのように実際の土着文化とは関わりの薄い土産物店が、米国ではよくあるのかもしれない
日本で例えるなら、観光地で買った木刀をふざけて壊したからといって日本の刀剣文化を侮辱したとはみなしにくいのと同じような感覚か
それならば、店の名前が「キモサベ」(「ローン・レンジャー」に登場するいかにも白人目線のステレオタイプ的なインディアンが使う言葉)をもじったものであることとも整合する
こちらも現地の歴史や事情に疎い人間には有り無しを判断しにくいけど、気になったといえばなったので自分の反応の記録として

些事と言えば些事だし、仮に的を射ていたとしてもこの手の映画でそういうところにケチつけるのは野暮かもしれない
なんにせよ2作ともちゃんとコーラに合う映画だったので基本的には満足した
#見た映画 #ホラー映画 #コメディ映画

リメイクだというのを見た後に知った。元作品は未見。
「イーライロスの映画だからいずれイーライロスの映画っぽくなるんだろう、早くイーライロスの映画っぽくならないかなあ」と思いながら見てたので楽しめなかった。自分が悪いんだろう。

見ながら『ファニーゲーム』とこの映画の違いを考えるなどした。とりあえず死体の数は違う。
#見た映画

犯人が主人公のスマホを奪って、ネットバンキングでお前の貯金を離婚調停中の旦那に送金するぞ?と脅すところが面白かった
それまで豪快に暴れてたおっさんが急にテクニカルな嫌がらせ始めるので

#映画 #見た映画