#瞳をとじて 感想
・ビクトル・エリセ監督は御年83歳であるが、生涯で本作を入れて長編映画は4作しか製作していない。非常に寡作な監督である。しかも本作が30年以上ぶりの新作である。
・静かな演出で進んでいくけど、アナが出てきたときなど必要以上に表情をクローズアップで撮ったり、時々暗転して1つのシーンが終わり次のシーンヘ進むみたいな演出で映画の枠組みを超えてきて「今私が見せられているのは本作の中で上映されている映画のワンシーンじゃないか」と疑いたくなる境界を曖昧にさせる演出など飽きさせない。
・撮影や演出は良いと思ったが、肝心の話がどうも個人的には好きじゃなかった。ただミゲルが撮ったあの映画の内容でも顕著だけど、本作では作家の一方的で利己的な行いがテーマなのかもしれない。
『瞳をとじて』 - @GB19940919’s diary
『瞳をとじて』 (Cerrar los ojos) [2023年スペイン] 映画監督ミゲルがメガホンをとる映画「別れのまなざし」の撮影中に、主演俳優フリオ・アレナスが突然の失踪を遂げた。それから22年が過ぎたある日、ミゲルのもとに、かつての人気俳優失踪事件の謎を追うテレビ番組から出演依頼が舞い込む。取材への協力を決めたミゲルは、親友でもあったフリオと過ごした青春時代や自らの半生を追想していく。そして番組終了後、フリオに似た男が海辺の施設にいるとの情報が寄せられ……。監督はビクトル・エリセ。出演はマノロ・ソロ(ミゲル)、ホセ・コロナド(フリオ)、アナ・トレント(アナ)ほか。 ビクトル・エリセ監督…