《寺山修司は書くことで自分を隠しつづけてきた人ですが、山田さんの前では正直に素直な自分をさらけだしていたとしか思えません。寺山の性質から考えれば、そんなことが出来たのもこのときが最後だったような気がします。
寺山がある日こんな言葉を口にしたことがあります。
「何も信じてない奴なんて友達に出来ないよね。たとえ間違っていても何かを信じている奴のほうが友達に出来る」
彼らの友情関係として張った根は、誰にも断ち切る事はできないのです。たとえ二人が遠ざかったとしても存在している限り、関係している事に変わりない訳ですし、少なくともお互い、一人の友人の精神の中に生き延びうる個人たりえたと……》――田中未知「過去から現在・現在から未来」
同じく山田太一編『寺山修司からの手紙』より。
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