状況が二転三転しすぎて混乱している。ちゃんと整理しないと。
今朝になってトランプが関税一時凍結を発表したが(中国だけ追加関税)、これは政策というより脅迫だ。今朝のニュースでは「トランプは方針転換を余儀なくされた」などと呑気な報道をしているが、まちがいなく予定通りの行動だろう。結果的に、何もせずに、各国政府の服従姿勢を引き出した。トランプの仕掛けに、おおむね世界は敗北したというのが現状だろう。
一方で、一連のメチャクチャな政策が、ドルの基軸通貨としての信用を毀損したのはまちがいない。問題は、部分的にでも基軸通貨の役割を担いうる通貨が他にあるか、ということだ。元々米ドル・ユーロ・円の三極構造になりかけたのが、一気にドル一極に巻き戻した。今、衰退まっさかりの日本もEUもアメリカに屈服。現状、ドル抜きでは世界経済は成り立たない、ということなのだろう。
その上で、今回の事件は、米ドルへの依存の危険性を決定的に各国政府・企業の心に刻みつけただろう。中長期的なドル離れが起きうるかどうか。とはいえ、ここにもトランプは先手を打ちにくる。アメリカ離れの兆候を見せた企業には制裁が待っているわけなので。