状況が二転三転しすぎて混乱している。ちゃんと整理しないと。

今朝になってトランプが関税一時凍結を発表したが(中国だけ追加関税)、これは政策というより脅迫だ。今朝のニュースでは「トランプは方針転換を余儀なくされた」などと呑気な報道をしているが、まちがいなく予定通りの行動だろう。結果的に、何もせずに、各国政府の服従姿勢を引き出した。トランプの仕掛けに、おおむね世界は敗北したというのが現状だろう。

一方で、一連のメチャクチャな政策が、ドルの基軸通貨としての信用を毀損したのはまちがいない。問題は、部分的にでも基軸通貨の役割を担いうる通貨が他にあるか、ということだ。元々米ドル・ユーロ・円の三極構造になりかけたのが、一気にドル一極に巻き戻した。今、衰退まっさかりの日本もEUもアメリカに屈服。現状、ドル抜きでは世界経済は成り立たない、ということなのだろう。

その上で、今回の事件は、米ドルへの依存の危険性を決定的に各国政府・企業の心に刻みつけただろう。中長期的なドル離れが起きうるかどうか。とはいえ、ここにもトランプは先手を打ちにくる。アメリカ離れの兆候を見せた企業には制裁が待っているわけなので。

台湾のTSMCという世界的半導体企業は、バイデン政権のときから(台湾危機を見越してか)アメリカへの直接投資を打診され、これに応じざるをえなくなってしまっていた。台湾から見れば、要するに、「アメリカにカツアゲされている」という感じ。トランプ就任会見に列席したテクノ企業のトップたちがトランプに揉み手しまくっていたが、TSMCの会長だか誰だかもそこにいたはず。

で、今回のトランプ関税でめちゃめちゃに株価が下がったのだが(そして、おそらく今反騰しているだろう)、こうやって振り回されている間にどんどんテクノ封建制の支配下に引きずりこまれていってるのだろうと思う。アメリカ離れのそぶりを見せれば、課税か罰金かしらないが、とにかく略奪される。法の下の平等もへったくれもない。

こういうアドホックな強盗的政策はトランプ以前からあった。たとえば、アメリカに支店を持つ海外金融機関に対し、マネロン規制を口実に法外な罰金を課すなど略奪的な規制の運用をしはじめたのは、たしかオバマの頃だ。ある意味、トランプはそれを全面化したに過ぎない。

トランプですべてが始まったわけではない。彼は隠すのをやめただけだ。

@mojimoji
全くそのとおりだと思います。
トランプはバカだからあからさまにやってしまっていますが、これまでもアメリカは似たようなことをしていました。
#プラザ合意 だってそうでした。