「道と空との間にいるのはただ一人自分だけ、正午頃と思われる位置にある極熱の太陽から降り注ぐ、白いまでに冴え切った光線を、頭に深々と載せた一重の檜笠で何とか防いで、こんな風に地図を見た。」
#泉鏡花 「高野聖」(現代語訳版)
「道と空との間に唯一人我ばかり、凡そ正午と覚しい極熱の太陽の色も白いほどに冴え返った光線を、深々と頂いた一重の檜笠に凌いで、恁う図面を見た。」
#泉鏡花 「高野聖」
うーん、どうだ? もちろん読みやすくはなってると思う。でも、小説を読んでてストーリーを追いかけるだけなんてやっぱりつまらないよね? 単語の選び方とか並び方、口にしたときの音の響き、ページを埋める文字のかたち、それらの相互作用なんてのも読書を楽しむための重要な要素だよね。
でも、そういうのが取っ払われたものをみたときに自分がどういう読みをするんだろう? ってのに興味があったのです。