日本の教育は自動車教習所方式だ、とずっと思っている。
たとえば、教わることの一つに方向転換がある。T字型になっているコースで、停車してからバックして側道に入って90度向きを変え、再び前進して本線を最初とは逆の方向に進む。現実の世界では方向を変えるというよりは車庫入れなどに役立つテクニックだ。
その時、日本の自動車教習所では、
「そこに停めて、バックに入れたらハンドルをいっぱいに切って、後ろに立ててあるポールの三本目が見えたらハンドルを戻し始める」
みたいなことをずっと教える。
現実の世界では車庫入れの時にポールは立っていない、というようなことには注意を向けない。なぜなら、運転免許のための試験コースにはポールがあり、それを見ることを覚えれば試験には通るからだ。
もちろん、そこで覚えたこともある程度は役に立つ。ポールを見て反復練習をしているうちに感覚が身につき、その感覚は路上に出てからも応用が効く。だから、全くの無駄ではない(続く)