🧵
> 「でもね、メタファーとかそんなんじゃなく、僕がこの手でじっさいに父を殺したのかもしれない。そんな気がするんだ。たしかに僕はその日東京には戻らなかった。大島さんが言うようにずっと高松にいた。それはたしかだよ。でも『夢の中で責任が始まる』、そうだね?」
> 「イェーツの詩だ」と大島さんは言う。
> 僕は言う、「僕は夢をとおして父を殺したかもしれない。とくべつな夢の回路みたいなのをとおって、父を殺しにいったのかもしれない」
>
#村上春樹 の『
#海辺のカフカ 』の一節である。
https://qfwfq.hatenablog.com/entry/20070107/p1#夢で責任が始まる #夢の中で責任が始まる #イェイツ
夢で責任が始まる - qfwfqの水に流して Una pietra sopra
たった一篇の作品によって語り継がれる作家がいる。アメリカの作家デルモア・シュウォーツもそうした伝説的な作家のひとりだ。その作品――In dreams begins responsibility 「夢で責任が始まる」は、映画館でスクリーンを見つめている「僕」の語りで始まる。 映っているのは画面にひっきりなしに小雨が降りしきる古いサイレント映画だ。若い男が女の家を訪ねる。男は僕の父、女は母だ。父は母を連れ出す。電車に乗って遊園地へ出かけるために。ふたりは海岸を散策し、メリーゴーラウンドに乗り、日が暮れてレストランに入る。そこで父は母に結婚のプロポーズをする。母はうれしくて泣き出してしまう。僕は席か…
qfwfqの水に流して Una pietra sopra