子育て支援 東京都と“差” 千葉県知事選挙で論戦 授業料・医療費・給食費 どう対応?
千葉県ではいま、東京都内との子育て支援の“差”が課題になっています。 東京のベッドタウンでもある千葉県は、この差にどのように対応していくべきなのか。千葉県知事選挙の各候補者に考えを尋ねました。 (千葉放送局東葛支局記者・木原規衣) 「差」の実態は… 千葉県松戸市に住む渋井友美さんです。都内の高校に通う長男と、小学生の次男の子育てをしています。 渋井さんが暮らす松戸市は、東京・葛飾区に隣接。多くの住民が都内の会社や学校に通い、東京と特に関わりが深い地域です。 千葉県出身で、県内で子育てをしたいと松戸市で暮らすことにした渋井さんですが、都内との子育て支援の「差」を感じてきたといいます。 渋井友美さん 松戸市は江戸川を越えるとすぐ都内ですが、都内の子どもたちはちゃんと充実した支援を受けられていると感じます。 子育て支援が県によって違うのは、住む場所を決める時にも結構重要なんだなと思いました。 長男が通う足立区の私立高校では、去年、東京都が打ち出した授業料の実質無償化に関するプリントが配られました。 「東京都在住者のみ」の注釈も 千葉県など関東各県にも、それぞれ授業料などを助成する独自の制度がありますが、所得制限が設けられていたり、県外への通学が対象外だったりするなど、東京都の支援よりも限定的です。 長男のクラスでは、無償化の対象となる都内在住の生徒は6割ほどで、差を感じているといいます。 長男 都民とは授業料が全然違うので、親には結構負担をかけているなと思います。 高校授業料の無償化は全国での実施が議論されていますが、都内との子育て支援の「差」は、ほかにもあります。 子どもの医療費は、松戸市では通院1回あたり200円がかかりますが、東京23区では無料です。そして、小学生の次男の給食費は月に6000円かかっていますが、都内のほとんどの地域ではすでに無償化。 物価高などで家計が苦しくなる中、子育て支援の必要性は増しているといいます。 渋井友美さん 友達の中には、東京都の助成を受けたいので、都内に引っ越してしまう子もいました。 数駅程度の差が経済的には大きな差になるので、千葉県も充実した子育て環境を作ってほしいと願っています。 千葉県知事選で論戦 3月16日に投開票が行われる千葉県知事選挙では、子育て支援が争点の1つになっています。立候補しているのは、届け出順にご覧のかたがたです。 各候補者へのアンケートで、子育て支援に関する東京都との差について考えを尋ねました。 熊谷氏 子育て支援・教育施策は、居住地域に関わらず全国一律で実施されるべき。教育の質の向上に予算を配分する。 小倉氏 私立学校の助成の引き上げで授業料を東京都並みに無償化する。県独自の就学給付金や給付型奨学金の制度を拡充する。 黒川氏 有望な子どもに1億円など、東京都の施策を超える。 立花氏 第1子のみ母親に1000万円を支給する。 千葉県知事選挙の投票は、千葉市長選挙と同じ3月16日に行われ、即日開票されます。 「首都圏ネットワーク」での放送内容は、3月20日(木)午後7時まで「NHKプラス」で見ることができます。 ほかの質問も含めた候補者アンケートの内容は、こちらのページでお伝えしています。 立候補者の告示日の演説などについては、こちらの記事でお伝えしています。 同日に投票が行われる千葉市長選挙の立候補者などの情報は、こちらの記事でお伝えしています。