> 日本国内に独立した人権機関がないことは、人権侵害のリスクにさらされている人たちの、司法での救済の道をも遠くする現実があります。日本の裁判所は具体的事件を取り扱います。つまり、被害を受けた個人が、個別に損害賠償請求訴訟などを起こせば法と良心に従って判断し、その結果、権利救済を受けられます。しかし、故・ジャニー喜多川氏の性被害の被害者は多数おられる。被害の状況はそれぞれ異なり、被害者のプライバシーの保護は絶対に必要ですが、個別の裁判ではなく、独立した人権機関に申出をして、そこで一定の救済や今後の進め方、手続きなどの筋道が示されれば、司法手続きに進まずに加害者側とまとまったやりとりができるかもしれません」
> 国連人権理事会も日本政府に対して、人権機関を設立すべきという勧告をしてきた。しかし、 法務省は「個別の法律によって人権救済に対応している」などとする見解を示し、人権機関の設立は見送られてきた。
> 1993年に国連総会で全会一致で採択された「国家人権機関の地位に関する原則(パリ原則)」に基づき、現時点で118ヵ国が「国家人権機関世界連盟(GANHRI)」に加盟しているが、日本は未だに加盟していない。