2025年3月1日18時31分 ソフトバンク対西武 9回表西武1死二、三塁、仲田は中前2点適時打を放つ(撮影・岩下翔太) <ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム:CATCH!!> ソフトバンクは練習試合とはいえ、西武に大敗を喫した。昨年のリーグVと最下位チームの今季初顔合わせ。ともに開幕へ向け、調整度も上がっていく段階だが、ホークスは先発マウンドに上がった上沢がいきなりセデーニョに満塁弾。さらに2回も3点を失った。続く3回のマウンドは連打を許して降板。計10安打を許して7失点。「調整」や「課題」の確認などと言っても、スタンドに詰めかけたお客さんからすれば、ため息しか出ない内容だったろう。はっきり言って、先発枠を争うには大きな疑問符が残る登板だったと言っていい。開幕まで残り1カ月を切った。期待の右腕はしっかり上昇カーブを描いてくれるのだろうか。対照的にプレーを見ていて、手に力が入ったのは西武仲田だった。9番二塁で先発出場。2番西川とともにフル出場し、4安打2打点の大暴れだった。2回の遊撃内野安打では一塁へヘッドスライディング。背番号140から必死の姿が伝わってきた。昨年11月、ホークスの育成契約を断り西武入り。たった1シーズンで支配下から再び育成打診に涙を流した姿は忘れられない。新天地で、消えかけた闘争心を再燃させ古巣相手の猛アピール。昨春、このアイビースタジアムで泥にまみれながら支配下入りを目指していた姿とダブって見えた。結果が出なかったホークス野手陣も仲田の姿に感じるものがあったはずだ。試合後、小久保監督は教え子でもある仲田について言った。「こっち(ホークス)にいたら、なかなかレギュラーとしてのチャンスを与えるのはちょっと難しいと思いますけど、野球人としてプレースタイルを含めて応援したくなる選手ですね。やっぱり」仲田にはスタンドから大きな拍手が湧いていた。彼には「調整」の2文字はなかろう。必死の姿はやはり、ファンの心をつかむ。 このコラムにはバックナンバーがあります。