Mastodawn

地獄の紅玉
汝が今から触れようとしてるのは人類がこの世に顕現した、歴史上、最狂最邪悪の深淵なる闇の化身で有る。汝、奴の祟りに触れる覚悟は宜しくて！？

八月の空は、うんざりするほど青く、澄み渡っていた。じりじりと肌を焼く陽光が、アスファルトの道を白く光らせ、立ち上る陽炎が景色を歪ませる。僕、健司（けんじ）は、額の汗を手の甲で拭いながら、乾いた喉に生唾を飲み込んだ。夏だというのに、子供たちの声は少なく、代わりに遠くの工場から聞こえ

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